2017年4月14日金曜日

小学校で100人村ワークショップ[4年生]

こんにちは。ボランティアの木村です。
2月16日に、渋谷区立長谷戸小学校にスタッフの中村、小口と、講師派遣に行きました。これは、東京都教育委員会主催の「オリンピック・パラリンピック教育推進のための『教育支援プログラム』」として、DEARの100人村のワークショップも登録されたため、学校から依頼がありました。

所狭しに立ち並ぶ都心のビルに囲まれた長谷戸小学校。しかし子どもたちは元気いっぱいにのびのびと学んでいる様子でした。私たちスタッフが学校につくとちょうど給食が終わったころで、昼休みに校庭に飛び出していく子どもたちが大勢いました。

今回ワークショップをするのは4年生の22名。女の子の人数は少なくとも、立場は強いような雰囲気があります。

まずは、アイスブレークとして現在の世界や日本の人口を聞くと、詳細な日本の人口を挙げる子どもがいて、スタッフも先生もびっくり。

その後、輪になって地球儀ボールを落とさないように回してタイムを計ります。タイムを縮めるにはどうすればいいか聞くと、「渡す時にハイと言う」「手を傾けて流す様に渡す」「ふざけない」など提案が上がり、試しては改善していき、最後は最初の半分以下の時間でスムーズに回すことができました。元気なことも大事だけど、ふざけずにみんなで協力してやればこんなにすごい事ができるんだね!とみんなで大喜びしました。

地球儀ボールを上手に回してみよう!
こうして盛り上がってきたところで運命の写真とカードを配付します。色々な国に住む人たちの写真を見て、私たちの生活と同じところ・違うところを見つけて発表してもらいました。

その後、役割カードに書かれた挨拶をもとに仲間探しをして、人数の多いグループから挨拶を紹介していきます。一番多く使われている言葉が中国語なことにみんな驚き。また、スペインはヨーロッパにあるのに、中南米の国々がスペイン語を話している理由を聞くと、元気だった教室が静かになりました。そこで、歴史の授業で習うのはもっと後だとは思いますが、少しだけ植民地などの話をしました

次に大陸ごとに紐で区切られたスペースにそれぞれ入ってもらいましたが、アジアのグループは紐から片足が出そうなほどにぎゅうぎゅうです。人口が多いこと・少ないことの良い点と困る点を挙げてもらい、人口の差を実感してもらいました。

そして、紐から生徒たちを解放し、ある紙を見せます。何人かの生徒は「あ!!」と言って役割カードを確認するとその場に座り、他の生徒たちや先生はポカンとしています。

これは、座ってくださいと言う意味の言葉です。今立っている人たちは、字が読めないのです」とスタッフ言うと、みんな納得の様子。「学校に行けばいいのに」「貧しいから行けないんだよ」「働けばいいじゃん」「文字が読めなきゃ働けない場所が多いよ」など、自分たちとはかけ離れた状況に想像力をフル回転させていました。

その後、役割カードに書かれた記号ごとに5グループになってもらい、代表者で運命のじゃんけんをします。この勝敗により、富の順位が決まる大事なじゃんけんです。

富を表す24枚のクッキーを自分たちのグループは何枚もらえるか予想してもらうと、最も裕福なグループは声高々に「17枚!」。すると他のグループは大慌てで、最も貧しいグループは「私達は1枚もないかもしれない」と嘆いていました。

結局、全員の予想を合わせると24枚を超えてしまい、待望の答え合わせで代表にクッキーを分配していくと、一番裕福なグループは18枚と予想より多い結果になりました。一方、一番貧しいグループは4分の1枚のクッキーを前に茫然とした様子。

「自由に分けて食べてください」と伝えると、喜んで食べ始める1つのグループと、それを恨めしそうに見る他の4グループ。そのうち、持っているクッキーをポケットに隠す生徒、奪う生徒、取り返そうとする生徒、割り当てられたクッキーで我慢する生徒、クッキーが小さすぎて分けられず途方に暮れる生徒など、教室は混乱状態に。


最終的に分け合って貧しい人たちのもとにもクッキーがめぐってきました。すると「僕は奪われてしまったから1枚も食べてない」「私もあげちゃったから食べてないよ」と言う一番裕福なグループの生徒が数人。

慌てて皆の持っているクッキーを割って、皆が食べることが出来ました。奪い合いもありましたが、裕福だったのに人に与えすぎて逆に貧しくなってしまったり、自分のクッキーを校長先生に分けてあげたり、ハンディキャップのあるクラスメイトの周りにも常に誰かがいて、全員が手を差し伸べているのが見られる、元気と優しさを兼ね備えたクラスでした


最後に先生が「世界がもし100人の村だったら」の絵本を読み聞かせしてくださいました。それを聞いた後で、生徒たちには今日のワークショップを体験して感じたことを「わたしの気持ち」シートに記入してもらいました。

ある子どもは「裕福な人がうらやましかった。僕は一番貧しいグループでクッキーを4分の1しかもらえなかったけど、貧しくて立場が違うから、裕福なグループにクッキーちょうだいって言えなかった」と言っていて、ロールプレイによって貧しい立場を自分ごとにできたようでした。これこそが参加型の醍醐味だなと嬉しくなりました。


先生からは、「普段あまり授業に参加しない子どもが真剣に参加していた」「世界の状況を体験を通して実感することができて、いろいろ考えることができてよかった」という感想をいただきました。引き続き、世界のことに関心を持ってほしいと思いました。
(報告:木村明日美)

DEARへの講師派遣の依頼方法はこちらをご覧ください。
http://www.dear.or.jp/facilitator/index.html

2017年4月11日火曜日

「世界一大きな授業のすすめ方」実践者のためのワークショップをやりました

今年も4月15日(土)~5月31日(水)に実施する「世界一大きな授業」。キャンペーンの開催に先駆けて、4月8日(土)に横浜YMCAの協力で「世界一大きな授業のすすめ方」実践者のためのワークショップ@横浜を開催しました。ファシリテーターは、DEAR事務局長の中村と職員の小口で実施しました。


当日は、なんと超満員の40名が参加!参加者も高校生、大学生、先生、企業の方、などとっても多様。「今大学で教職課程を取っているんですが、今日、私の高校の時の恩師も来てて、とってもびっくりしました!数年ぶりに再会したんです!」という奇跡の再会(?)を果たす参加者も。大盛り上がり、あっという間の2時間半でした。

「世界一大きな授業2017」の公式教材には、7つのアクティビティが収められていますが、その中から以下の5つのアクティビティを実施。その後、今後自分が実施するにあたっての意見交換をしました。

1.クイズ
2.識字(コップの水を選んで飲むシミュレーション)
3.教育と資金(リボンをつかったシミュレーション)
4.ちがいのちがい SDGs4バージョン(カード)
5.首相・外務大臣に手紙を書こう(意見交換+文章表現)

「文字が読めないってどういうこと?」を疑似体験。みんなが飲んだものは果たして・・・?
教育援助額とゲーム費・軍事費をリボンを使って比べます。軍事費は、発展途上国のすべての子どもが高校まで行くのに必要な年間援助額の何倍?
今年の新アクティビティである「ちがいのちがい SDGs4バージョン」は、カードに書かれている事柄について「あってもいいと思う違い」だと思うか、「あってはいけないと思う違い」だと思うか、理由も出しあいながら分類するアクティビティです。
今年の新アクティビティ「ちがいのちがい SDGs4バージョン」。一つ一つのカードについてじっくり考えます。
一つのカードをとっても、想像する背景やその事象に至った理由は様々。例えば「タカフミさんは地元の中学校に通っているが、同い年のトオルさんは隣町のフリースクールに通っている」というカードがあります。「学校=教育ではない。本人がフリースクールに通いたくて通っているのであればあっていい違いなんじゃない?」という意見もあれば、「本人は学校に行きたかったけれど何かの理由で拒否されたり行けなくなってしまったのであれば、あってはいけないと思う」という意見も出ました。

もちろん、正解はありません。ですが、参加者は、一つ一つのカードについて話し合いながら考えを深めながら、話し合いのプロセスの中で、お互いの視点の違いを楽しんでいたようでした。具体的な事柄を話すことで、そして「もし自分だったら…」と考えることで、今現在の教育の課題や、より良い教育の在り方について、それぞれの考えを深める時間となりました。

最後に、グループごとに書いた「首相・外務大臣に向けた手紙」を持ってフォト・アクションをしました。
Raise your voice!!良い写真ですね^^
この写真とともに、皆さんに書いていただいた「首相・外務大臣への手紙」は責任を持ってキャンペーン事務局が政府に届けます!

最後に、参加者の方から出た感想の一部を紹介します。
  • 新しい発見をグループの中ですることができ、色々な人たちと色々な考え方を知りあうことができる大切さを改めて感じた
  • どんな状況でも、背景がどうなっているかを知る必要があると感じた。
  • 自分の価値観で物事を判断しがちになっていることに気付かされた。
  • ワークショップで理不尽な環境に置かれている人達が沢山いることを学び、「私たちはいけないのか」という極端な発想になりそうでだったが、そうではなくて出来ることから始めるのが大切、例えばフェアトレードの商品から買う、状況を友人に伝える、国の方針を決める政府に声を届ける等、グループの方の意見から気付きを得た。
  • 日本だけが良い、ではなく、世界が良くなるために日本に、自分に何ができるか、考える事が出来た。
今年のキャンペーン期間は5月31日(水)まで。
今年からの新アクティビティ「ちがいのちがい」はもちろん、各アクティビティで注意すべきことなど、今年の教材は非常に分かりやすくバージョンアップしています!昨年までの教材がお手元にある方も、絶対にこちらから今年の教材をダウンロードしてください
世界の子どもたちの教育のために、より大きな声を日本政府に届けましょう!
皆様のご参加をお待ちしております。
(報告:小口)

●「世界一大きな授業」とは…
現在、世界で小学校に通えない子どもは6,100万人、読み書きができない大人は7億5,800万人も存在します。こうした事実の背景には、戦争や貧困などはもちろん、教育の機会が与えられなかった人々が直面する厳しい現実など、さまざまな問題が隠れています。2015年9月に国連総会は「持続可能な開発目標」(SDGs=Sustainable Development Goals/通称:エス・ディ・ジーズ)を採択し、2030年までにすべての子どもが質の高い就学前教育、初等教育、中等教育を受け、大人の識字率も大幅に改善することを新たな目標として掲げました。

「世界一大きな授業」とは、そんな世界の現状に目を向け、教育の大切さを、同じ時期に考えようという地球規模のイベントです。「世界中の子どもに教育を」を合言葉に、2003年にスタートし、2008年には、885万人が参加し、ギネスブックにも登録されました。日本でも2016年には、764校・グループの56,234人が参加しました。

2017年も、世界中のNGOや教職員たちのネットワークを通じて、世界100カ国の小・中・高等学校や、大学、専門学校、各種団体などで、一斉に開催されます。また、今年からは新たに、授業を受けた「生徒」たちが提言を発表するフォト・アクション「Raise Your Voice!(レイズ・ユア・ボイス!=声をあげよう)」という活動への参加を呼びかけます。

【主催】教育協力NGOネットワーク(JNNE)
【「世界一大きな授業」はJNNE に参加する次の団体が実施しています】オックスファム・ジャパン、開発教育協会、シャンティ国際ボランティア会、日本YMCA同盟、プラン・インターナショナル・ジャパン、フリー・ザ・チルドレン・ジャパン、ラオスのこども、ワールド・ビジョン・ジャパン
【公式サイト】http://www.jnne.org/gce/
※授業を実施される方は、必ず事前に申込みをして今年の公式教材をご利用ください。

2017年3月30日木曜日

たくさんの学びとやる気を得られた5ヵ月間

みなさんはじめまして。事務局ボランティアの小泉晴香です。
2016年秋から約5ヵ月間、DEARの活動のお手伝いをさせていただきました。

大学休学中の活動の一つとして関わらせていただき、毎週通っていたDEARですが、来月からの海外渡航を機に離れることになりました。そこで、今日までボランティアとして活動していた私が感じることを少しお話ししたいと思います。

①DEARに来た理由
大学の授業でグローバル教育を実施している団体を探していて、DEARを見つけました。社会問題の解決には教育の力が必要だと感じていた私は、休学中の活動の一つとしてぜひ開発教育に関わりたいと思い、DEARでボランティアを始めました。(私が授業をとってお世話になっていた教授がDEARの方であることは後に知ることとなります)

②どんな仕事をした?
イベントに際しては、配布資料や名札の準備、現場でのアシスタントなどをしました。他にもアンケートの集計などの事務仕事、子ども向けワークショップ用のお面づくりやカード作りなど様々な仕事をさせていただきました。

ワークショップ用のライオンのお面。上手!
段ボールで手づくりしました
③心に残っていること
2つあります。1つ目は「開発教育フォーラム」(以下、フォーラム)にボランティアとして参加したこと。2つ目は「フリースペースえん」に行ったことです。

フォーラムでは、全国各地から集まってきた参加者の皆さんが熱く語り合う様子を見て、日本にはパワフルで行動力のある人がこんなにもいるんだ!と感動させられました。社会人になり、忙しくなっても自分のやりたいことに携われるんだという自分の将来への自信にもつながりました。

「えん」では、自分が作ったカードやお面が子どもたちの学びにつながっていることに喜びを感じました。それとともに、自分がその年齢の時には考えもしなかったようなことについて真剣に考え、自分の意見を堂々と話す姿を見て、小さなうちから様々な課題について考える機会があることの重要性を改めて実感しました。

檻の中のライオン』を元にした憲法について考えるワークショップ。
④DEARへの提言や励まし
色んなことが次々に変容していく中でもぶれずに、ぜひ今のままのDEARでいて欲しいです!これからも応援しています!

⑤ボランティアを終えて…
本当にたくさんの事を勉強させていただきました!一言に開発教育といってもそれがテーマとすることは多岐に渡り、それに携わるDEARの方々とのお話は刺激的なものばかりでした。

特にこれといってできることがない私にも優しくお仕事を教えてくださり、いつも温かい気持ちにさせられていました。しばらく東京を離れてしまうため、これまでのような頻度で関わることは難しいですが、これからも何かしらの形で関わっていきたい、そう思わせてくれる場所でした。ありがとうございました!
(小泉晴香)

スタッフ一同からの感謝状(左:小泉さん/右:中村事務局長)
ボランティアには好きな教材を1つプレゼントしております!小泉さんが選んだのは『地球の食卓』でした。
※事務局より:DEARでは事務局ボランティアを募集しています(平日昼間中心/週1回~)。ご興味のある方はこちらをお読みください。

2017年3月15日水曜日

身近な対立から、憲法と権利を考えてみた!

こんにちは。ボランティアの木村です。
2月15日にフリースペース「えん」で今年度5回目のワークショップをしました。

その日はスタッフたちが「えん」に到着する前から、「今日は天気がいいからみんなお外で遊んでいてワークショップに集まらないかもしれない…」と思うほどの気持ちのいい晴天で、やはり子どもたちはお昼ご飯を食べ終えるとどんどんお外に出て元気に遊び始めました。テーブルの周りに集まったのは数名…。しかし、この「自由さ」こそが、「えん」ならではです。

今回は前回に引き続きバリマタ王国(※)での動物たちのやり取りから憲法・権利について考えました。前回は王様ライオンの暴走を食い止める内容でしたが、今回は、バリマタ王国の平和な日常の中に起きた対立から、身近な問題について考えました。

1つ目は、腹太鼓の練習をしたいタヌキと、静かにマンガを読みたいワニの対立。みんなのスペースでそれぞれのやりたいことをするには権利が対立してしまう時があるけれど、どうすれば良いのか。タヌキ役の能條さんとワニ役の西野さんの熱演により、問題がより身近に感じられます。

どちらの言い分もわかるけど…どうすればいいかな?

「違う場所でやればいいじゃん」という子どもからの提案に対して、タヌキは「みんなに内緒でやりたいから外ではできない」という返答。うーん、じゃあどうしようか…。その後も続々と提案が上がり、最終的にタヌキとワニは「じゃあ僕は1時間クッションを付けて練習するから、そのあとは音を出してもいい?」「うん、じゃあそのあとは僕が違う場所に行って読むよ」とそれぞれ譲歩し合う事が出来ました。


2つ目は、「他の人には言わないでね」という約束で自分の秘密を話したキツネと、その秘密をみんなに話したタヌキの対立

タヌキは表現の自由を主張しているけど…?
子どもたちからは「言わないでね、と言われたことは言っちゃだめだよ」という声もあれば、「でも(みんなに)言いたいよ」「キツネが秘密なことをタヌキに話したのが悪い」という声もありました。誰にでも、秘密をばらしてしまった、或いはばらされてしまった経験があるのではないでしょうか?どちらの立場も身近だからこそ難しいですね…。最後は、「タヌキはキツネにあやまったほうがよいよ」という子どもたちの声に励まされ、タヌキはキツネにあやまりました。

最後は、ワニが不在だった会議で自分が組体操のピラミッドで一番下になることが決まり、後日それを知ったワニが嫌がっている、という集団と個人の対立

「休みだったんだから仕方ない」「多数決で決まったんだから」という意見もありましたが、「いや、ワニが嫌だって言っているならもう一度考え直さなきゃ」「何度でも話し合おう」ととてもポジティブな方向に話が進み、内心スタッフは驚きました。

身の回りにいつだって起こりうるけど、明確な答えがあるわけじゃない。そんな時にどうやって解決したらいいかを権利の面から子どもたちに考えてもらう、というのが今回のねらいでしたが、子どもたちは前回学んだ色々な権利も踏まえて色々な提案をしてくれて、スタッフ側もうれしかったです。


そのあと、前回もゲストに来てくれた久保井奈美さんから、権利のバランスや、個人の権利は大切だけど、みんなの迷惑になってはいけないという「公共の福祉」ということを説明してもらいました。一人の権利と大勢の権利はひとしく大切なことも学びました。

また、嫌なことは「いや」と言っていいんだということも学び、終わりに、そんな対立が大きくなって戦争になる過程を分かりやすく示す「戦争のつくりかた」という映像を見ました。



少し怖くてショッキングな内容ですが、今の日本はまさに、2004年に作られたこのお話に日々近づいているように思えます。参加者からも、「2004年の時に見た」「このアニメで言っていることは6割くらい既に起きているよね」という声も挙がりました。

映像の中で、「大人は忙しいとか言って戦争がつくられていくことに気づこうとしないから、あなたが変だと思ったら『大変だよ、おかしいよ』と言ってください」というフレーズがあります。おかしい事には「おかしい」と言う、嫌なことには「いや」と言う。日本が再び戦争ができる国になってしまう前にそれを阻止するためにはまず国民が声を上げなければ、と改めて気づかされました。
(報告:木村明日美)

※第4回目(1月20日)にバリマタ王国(たまりばを逆にした名前)で、王さまのライオンが勝手に法律を決めたり、都合のよい政治をしようとすると、子どもたちが適切なカードを見せてそれをストップする。(憲法で国の権力を縛る)というワークをしました。前後しますが、報告は後日アップします。

2017年2月21日火曜日

世界がもし100人の村だったら@よこはま国際フォーラム

2月5日(土)、JICA横浜で実施されたよこはま国際フォーラムにて、DEARでは「世界がもし100人の村だったら~SDGsを一緒に考えよう~」というワークショップを実施しました。DEARスタッフの伊藤・小口がファシリテーター、ボランティアの木村がアシスタントを担当しました。

多くの団体が盛況に催し物を行なっている中、始まる前は「参加者が少なかったらどうしよう」と不安に思っていました。しかし準備をしているとすぐに、壁に沿って輪のように椅子が並べられた狭い会議室は人でいっぱいに!参加者は小学生から年配の方まで、本当に老若男女様々でした。

まずはアイスブレーキングとして「行ってみたい世界の地域」ごとにグループを作り、「その中でどこの国に行きたいのか?何故か?何をしたいのか?」また「今まで行った国で経験したスゴイこと」などを共有してもらいました。

「体験したスゴイこと」では、「タイに行った時にトイレに紙が無く、横にあったシャワーでお尻を洗った」という共有もあり、参加者からは驚きの声が上がりました。


いよいよ、100人村のワークの始まりです。参加者一人ひとりに運命の「役割カード」を配布し、「カードに書いてある言葉で挨拶をしながら同じ言葉の仲間を捜してください」と伝えると、アイスブレーキングで場が和んできたからか、大きな声で挨拶する人がたくさん!

グループができたところで、「一番多く話されている言葉は?」と聞くと「英語!」という意見が多かったですが、一番人数の多いグループが「ニーハオ!」と言うと、「ああ~!」と「ええ~!?」の二通りの声。このワークを通じて、国の数と言語の数の差、宗教と言語の関連、植民地のつながり、日本にも言語が複数あることなどを学びました。

次に、大陸を表した紐の中に入るワークでは、余裕で座ることが出来る他地域と比べて座ることが出来ないほどギュウギュウなアジアの人口密度の高さが浮き彫りになりました。さらに、CO2排出量を表す紙をグループごとに配ると、アジアの紙の枚数の多さに他の地域からはブーイングが起こりましたが、人数で割ると北アメリカの方が大量に排出していることが分かり驚いていました。

大陸ごとのCO2排出量を比べてみると‥(展開のためのアクティビティ「地球温暖化を考える」)
また、富を表す30枚のクッキーを富のレベルに応じて5グループに配分するワークでは、はじめにグループごとに自分たちがもらえるであろうクッキーの枚数を予想し、発表しました。

一番裕福なグループが「20枚」と言うと、周りのグループからは「それはもらいすぎだ!!」との声があり、最終的に全グループの予想を合計すると予算オーバーの37枚に。続いて実際にクッキーを配ってみると、1番裕福なグループは予想より多い枚数で、1番貧しいグループは1枚すらもらえない結果に。クッキーが渡される度に大きな驚きの声が上がり、一番の盛り上がりを見せていました。

裕福なグループがまず1人1枚分けて残りはどうしようかと話し合う横で、貧しいグループは0.8枚を6人で分けようとして粉々に崩れ、嘆き声が響いていました。スタッフが「どうぞ自由に食べてください」と言うと、続々とグループ間のお裾分けが始まりました。1人1枚食べることが出来ないグループからもより貧しいグループにクッキーのお裾分けがあり、優しさにあふれたあたたかい雰囲気になりました。

所得が多いのは‥?
最後に、このワークショップのもととなった「世界がもし100人の村だったら」の文を輪読し、一番気になった部分が同じ人同士で集まり、なぜそこが気になったのか、なぜこのようなことが起きているのか、などを話し合いました。

「世界がもし100人の村だったら」のメッセージを輪読
初めて知ることばかりの参加者の多くは、世界の大きすぎる格差に愕然としつつも、自分の立ち位置を探り、どうすればいいのかを話し合う良いきっかけになった様でした。

挨拶で仲間を捜したり人口密度の高い紐の中に入ったり、かけらのようなクッキーを食べて多様な世界を感じると共に、自分が、クッキーの3分の2以上を握る裕福なグループの一員であり、100人の村の裕福な上位8人の内の1人であることを身を以て実感する時間となりました。

やはり実際に動いて話して自分でない人になることで、外側から自分自身と世界との繋がりを見直すことが出来る参加型学習はとても楽しいと感じました。
(報告:木村明日美)

2017年2月7日火曜日

あってよい違い・あってはならない違い~なんで差別が起こるの?

2016年11月18日に川崎市のフリースペース「えん」で、今年度3回目のワークショップを行いました。

今回のテーマは「あってよい違い・あってはならない違い~なんで差別が起こるの?」。ここ最近、アメリカでは大統領選挙後に移民に対する排斥運動が過熱し、日本では沖縄での機動隊による「土人」発言が問題になりました。なぜこうした行動や発言が生まれてしまうのでしょうか。「あってよい違い」と「あってはならない違い」とは何なのでしょうか。

ワークショップを通して、身の回りにある差別・ステレオタイプや、世の中の「常識」を批判的に考えてみることが今回の目的です。


初めは伝言ゲーム。
写真を見て題材を当てるのですが、今回の題材は「スケボーをするおじいさん」、「車いすのファッションモデル」、「髪の長い男の子」などなど。少し意外な組み合わせの写真です。「子どもたちはちょっと苦戦するかな」と思っていましたが、拍子抜けするほどズバズバと当てられてしまいました。「○○な人だから…といってできない事はない」、「あきらめちゃうのは社会が誘導するからだよ」との声が。


途中、サルサを踊る80歳のおばあちゃんのムービー(こっちまで元気が出る!)を挟んだり、見た目とは裏腹に強烈な味(とにかく辛い!)の「長野産わさびチョコ」をつまみました。



続いて視聴した「キミの心の“ブラックピーター”」は無意識の人種差別を題材にした作品です。そのうちの一場面から「自転車泥棒」を題材としたパートを取り上げました。

オランダのとある公園で、一人の男が木に括りつけられた自転車の盗難防止チェーンをペンチで壊そうとしています。男の目的は自転車を盗むことです。白人男性・黒人男性・モロッコ系男性の3人それぞれにチェーンを壊してもらい、周囲の人の反応を見比べます。

白人男性がチェーンを壊している時は、周囲を歩く人たちが怪しむことはありません。なんと、切りやすいように自転車を抑えてくれる人や、工具を貸してくれる人まで現れます。

反対に、黒人男性やモロッコ系男性がチェーンを壊していると、いぶかしげに眺める人や、「現場写真だ」といって写真に撮る人、警察に通報する人もいます。

やっていることは同じなのに、なぜこんな差が生まれるのでしょうか。
子どもたちからは
「差別だ。見た目だけで判断している」
「黒人だから、とか先入観で判断している」
「うちの父親も、子どもだから音楽なんて早いって言ってくる」
との反応。たしかに、わたしたちの身近にも同じような「無意識の」差別が溢れていませんか?女だから、男だから、子どもだから、高齢だから、障がいがあるから…

そんな話を受けて、最後にアクティビティ「ちがいのちがい」に取り組みます。様々な「ちがいカード」をもとに、「あっていい違い」と「あってはならない違い」を考えていきます。

「ちがいカード」には「日本では食事に箸を使うが、インドでは指を使う」「A校では女子の制服はスカートだけだが、B校ではズボンも選べる」「女性専用車両はあるが、男性専用車両はない」といった様々な「ちがい」が書かれています。

制服に関してのカードが出た際には、「日本では政府が揃えさせたいんじゃない?」「先生になんで制服なの?って聞いたのにまともな答えが返ってこなかった」とのこと。

また、「日本では自己主張するとでしゃばりと非難されるが、アメリカでは自己主張をしないと低く評価される」というカードでは、「学校でおとなしくキャラ変わるってわけわかんない」という声もあれば、「学校では無難に普通にしてる」という声もありました。


「普通に」「無難に」という言葉が持つ力、切り捨ててしまうものの大きさに、子どもも大人も目を向けるきかっけになるワークショップだったような気がします。「えん」に集まる子どもたちは、とてもいい意味での「普通じゃない」環境で過ごすからこそ、今回のような忌憚のない声が聞けたのかもしれません。

「普通」ってなんだろう。帰り際、考えながらおよそ2時間半宇都宮へ帰りました。
(高階 悠輔)