2010年2月26日金曜日

グローバル・エクスプレスin仙台 その2

「グローバル・エクスプレス(GE)」ワークショップの午後は、世論調査報道を読み解く「憲法報道」をテーマにしました。

情報は最新の新聞記事に差し替えて、ほぼ教材に掲載している流れで実施。これまで何度か実践しましたが、毎回なにかしらの発見があり、よくできた教材だと思います(自画自賛・・)。
※教材はGEのサイトからダウンロード(無料)できます。

▼これは、世論調査の結果を報告する記事を読んでいるところ。
はじめは、“普通に”記事を読みます。続いて、今度は記事中の「事実」と、記者の「意見」に線を引きながら読んでもらいます。


一見、「事実」だと思われる新聞記事にも、とてもたくさん記者の「意見」が書かれていることに気がつきます。この時に使って記事は「見出し」にまで、「意見」の線が引かれていました。さらには、憲法報道の記事の下に、北朝鮮のミサイル記事がレイアウトされているのを発見したグループも。「この紙面構成そのものに新聞社の意図を感じる!」なんて意見も。
とてもシンプルなワークですが、気付きがたくさんありますので、お勧めです。

▼最後には、世論調査データを使ってのニュースづくり。
5つのグループが、視聴者や時間帯を設定して、1分間のニュースをつくるもので、これはもう、すごく盛り上がりました!

実はちょっと仕掛けがありまして、それぞれのグループに、密かに「改憲を推進したい」「中立の報道を心がける」「改憲を押しとどめたい」立場でニュースをつくるよう指示をしています。各グループの発表するニュースを見て初めて「あれ?」と感じ、同じデータを使っても、全く違うメッセージを伝えるニュースづくりが可能であることに気付くものです。
今回の5グループはいずれも力作で、拍手喝さいでした。


わたしがちょっと気になったのは、うち2グループがキャスターとは別に「コメンテーター」なり「解説者」を登場させたこと。そして、そのいずれもが、年長の男性だったことです。キャスター役は若い女性でした。ひとつのグループは「○○の勝手に吠えさせて!」というフリップと共に「解説者」役の男性がにぎやかに登場、熱演。事実、吠えまくり、「こういう解説者いる、いる!」と会場は大いに沸きました(わたしも涙が出るほど笑っちゃいました)。

現実のメディアそのものが、ジェンダーを固定化しているわけですから、今回の参加者が男女にそのような役割を振ったとしても不思議はありません。で、こうやってワークをしてみると、いつの間にか刷り込まれている価値観があらわになってしまうものだと、改めて思いました。
(八木)

2010年2月23日火曜日

グローバル・エクスプレスin仙台 その1

仙台国際交流協会(SIRA)から呼んでいただいて、2月21日(日)に「グローバル・エクスプレス(GE)」ワークショップを行いました。実はGEで丸一日の講座をやるのは初めて。何をやろうかあれこれ考え、新学期に使いやすいように、午前中は「ワールドカップ」、午後は「憲法報道」をテーマに選ぶことにしました。
※いずれの教材もGEのサイトからダウンロード(無料)できます。

参加者は小学校から高校までの先生と、SIRAのボランティア、NPO/NGO関係者、社会教育関係者、学生など約25名でした。

「ワールドカップ」は、2006年大会の時に作成した教材を元にして、今年の大会の最新データや情報を盛り込んでやってみました。


▼はじめは、開催国と出場国を簡単に知るところから。
「今年の開催国、南アフリカについて知っていることは?」の質問には「金やプラチナが採れる」「アパルトヘイト」「ネルソン・マンデラ」「喜望峰」、そして「マグロ漁船の給油地」。気仙沼のマグロ漁師さんから聞いたことがあるそうです・・さすが仙台!

▼続いて南アの国旗当てクイズ。
アフリカ地区からの出場国(アルジェリア、ガーナ、カメルーン、南ア)の旗から4択です。5グループのうち、3グループが南アの旗を選び、2グループがガーナの旗を選びました。答えあわせをした後、旗の色の意味を簡単に説明。アパルトヘイト撤廃前の1994年まで使われていた南アの国旗を見て、少し歴史を振り返りました。

▼続いて、対戦グループ抽選会翌日の12月6日の朝日新聞・読売新聞を配布して、しばし記事を読みます。出場国が国旗や選手情報とともに一覧で掲載されていて、とても分かりやすい記事です。

その後、世界地図を配布して、対戦グループ毎に担当を決め出場国の場所にシールを貼りました。アフリカや中南米の国々、スロベニア、スロバキアなど普段聞きなれない国の場所を探すのは難しかったとの感想が出ました。ワールドカップはオリンピックと違って、「南」の国々の名前がたくさん出てくるところが面白いです。また、「“イングランド”は英国?」といった声も。

▼次は、「数字でみるワールドカップ出場国」。
32カ国のあるデータがランキングされたワークシートを配り、それぞれ何のデータかを予想してみました。データは、(1)FIFAランキング(2)人口(3)平均寿命(4)エネルギー消費量(5)GDP(6)ワールドカップ出場回数(7)移民の割合、の7つを最新データで用意。

1と6は新聞に掲載されているので、すぐに全員正解。2、3、6は日本の数字がヒントになりほぼ全員正解。ここで、南アの平均寿命が短い理由を少し考えてみました。「HIV」や「貧困」の問題について意見が出ました。

また、4と7がとても難しかったようです。4では、米国のエネルギー消費量の多さと、アフリカの国々の差に驚いていました。

▼7の「移民の割合」の数字から、サッカーの各国代表選手の多くが、海外のクラブチームに所属していることなどを話しました、そして、記事「イタリア代表選考に人種問題の暗い影」(朝日新聞/2010年1月26日)を読んでから、「わたしの気持ち」をやりました。

「移民を多く受け入れている国でもこういうことがあるとは驚いた」
「複雑」「問題を考えるよい機会になる」
「スポーツに人種差別の問題を持ち込むなんて悲しい」などなど。

でもこれって、イタリアだけ、サッカーだけのことでしょうか?
ちょうど冬季オリンピック開催中ということもあり、日本からロシアに帰化した川口選手のこと、引退した元横綱朝青龍のことなども併せて考えた方も多かったようです。

▼そして、午前のクライマックスは「日本代表チームをつくろう!」。
自分が代表チームをつくるなら・・という前提で、「日本に帰化している」「強烈なシュートが打てる」などが書かれた24枚のカードを分けていきます。


どのグループも条件はとても少なく、「サッカーがうまくて、国籍があればいいよ」という感じでした。が、ちょっと意外だったのは「日本を愛している」を条件に入れたグループが多かったこと。「それは、どうやって調べましょうか?」と聞いたら、みなさん考え込んでしまいました。「顔・格好が日本人に似ている」などは条件に必要ない、と全部のグループが回答。では、「全員がラモスやトゥーリオみたいな選手になっても、日本代表として応援してくれますよね?」と聞くと、みんな「うーん・・」と。

もちろんこれは、正解があるものではなく、現在起こっている人種差別や外国人排斥、ナショナリズムについての問題を考えるためのワークです。分ける作業で、自分の中にある価値観や偏見、大切にしていることなど、発見がたくさんあったようです。

最後は、地元のサッカーチーム、ベガルタ仙台で活躍する在日3世の選手が話題にのぼりました。「彼はずっと日本で生まれて育って、地元のファンにも愛されているのに、日本代表にはなれないんだよね・・」と。彼自身がそれを望んでいるかどうかは分かりませんが、もしいつか在日の選手が「日本代表になりたい」となったら、わたしたちはどう考え、行動するでしょう?

午前中はここで終了。
午後の世論調査データを読み解く「憲法報道」の様子はまた次回レポートします。
(八木)

2010年2月17日水曜日

"拡大"企画推進会議

14日(日)はバレンタインデーでしたが、我々は世間の皆さまとは一味違う日曜日。都内某所で、丸一日かけての「"拡大"企画推進会議」という会議でした(なんと当初は秩父で合宿の予定だった)。


これは、DEARの具体的な事業の数々を担うボランティアの「タスクチーム」のリーダーたちが集まって、2009年度の事業評価と、2010年度の計画を持ち寄るものです。

それぞれに評価シートと事業計画シートがありまして、準備されています。それにされに2008年度からの中期計画に照らし合わせて、いかがなものか?というのも諮ります。事業の数が多いので、けっこうな作業です。ちょっと「事業仕訳」的な雰囲気もあります。

こうやって並べてみると、それぞれのタスクがやっていることが見えて、有機的なつながりがあることが分かります。それぞれに、悩みながらも成果を出していることも。

特にDEAR-Youthの報告にはみんなの高い関心が寄せられました。ユースの良さを活かしながら、新しいメンバーを育てながら、どう運営していくか?「大変だけど、Youthを盛り上げていきたい!」というメンバーの思いに応えて、様々な提案が出されました。

ユース・チームを持つNGOはいくつかありますが、みんなどうやって活動を継続しているのでしょうか。NGOのユース・チーム同士で経験交流の場があったら面白いかも、と思いました。
(八木)

2010年2月10日水曜日

初心を思い出します

今日は2ヶ月に1回のニュースレターの発送日でした。年度末のため重要なお知らせの数々が入り、今回は特に複雑な作業です。スタッフに加え、水曜ボランティアのTさん、1月からの新インターンMさん(秋田の大学生)で作業にとりかかりました。

すると、そこに、飛び込みボランティアのRさんが救世主のように現れたのです!なんと彼女は沖縄の大学生。DEARともお付き合いの深い沖縄NGOセンターでもボランティアをしていて、今回たまたまウェブで募集情報を見て、助っ人に駆けつけてくれたとのこと。

おかげで、「ヤンキーになりたい小学生」や「チーズフォンデュ」、「南米の旅」、「自由席の国際線」などの話に花が咲き、楽しく発送作業を進めることができました。ありがとう!

思い起こせば、わたしの発送作業デビュー(?)も学生時代でした。当時関わっていたNGOのニュースレターの発送を手伝っていたのです。そこではなぜか夜に人が集まり始め、日付の変わる頃に封入が終了。そのまま新宿じゅうのポストを回り、すべての封筒を投函(集荷サービスを知らなかったのか?)。その後、安い居酒屋に行くか、誰かの家に行って、朝まで話をしていたような・・。

こうやって書くと、めちゃくちゃですが、そこに集まるいろんな人と話ができて楽しかったことばかりが思い出されます。

で、そのNGOというのは、今はNICE(日本国際ワークキャンプセンター)という名前になり、当時より遥かに大きな規模と社会的役割を果たしながら活動を続けています。先週の土曜日(6日)には20周年を記念したフォーラムが開催され、わたしも参加してきました。


その中の、「アジアのワークキャンプとその後の人生」という分科会で、少しお話をさせていただきました。キャンプに参加していなければ出会わなかった人、価値観、ボランティアや市民活動の世界のことが次々と思い起こされました。あの頃がなければ、今の自分も、開発教育との出会いも無かったと思うようなことばかりでした。

かつてお世話になった人にも、一緒にキャンプをつくった仲間にも、これから何かを始めたいと意気込む人にも会えました。昔も今も、世の中には怒りを感じることや、悲しいことは多いけれど、確実に社会のために行動を起こす人の輪が広がっていると実感することができた1日でした。
(八木)

2010年2月3日水曜日

楽しい評議員会

あっという間に2月です。
先週の30日(土)には今年度最後の評議員会でした。

評議員会は、理事会と違って組織運営に関する重要な決定事項がなく、幅広くいろいろな意見が聞けるので、楽しい会議のひとつです。普段なかなか会えない方に会える機会でもあります。


さて、30日は、第1部で2009年度の事業と予算の執行状況を報告。第2部では、会報誌『DEARニュース』のトピックス案と、2年後にやってくる「30周年」記念になにをやろうか?のブレストをやりました。

振り返れば、20周年の時は車で全国を一周した「開発教育全国キャラバン」をやり、25周年の時はダグラス・ラミスさんを招いての講演会とパーティでした。そして、30年目は‥?!

アイデアは、それはもう、たくさん出ました。
「また全国キャラバンをやりたい!」
「駅伝形式で1年間スタディツアーをやろう!」
「イギリスのグローバル教育センターも30週年だから共同イベント!」
「記念の、ものすごい教材を作成する!」
「情報センターの復活!」
「永年会員の表彰・パーティ」‥などなど。

さらには、
「寒い教材、ふりかえり大賞」
「ゆるキャラ、着ぐるみ着用」
「DEAR学院設立」‥といったアイデアも(笑)

実際はこの10倍くらいアイデアが出て、発表時には爆笑と歓声が入り混じっておりました。共通するキーワードは「全国の実践者をつなぐ」「感謝」「楽しむ」といったところでしょうか。1日でどーんと何かやるよりは、1年間・半年と時間をかけてなにかやりたいね、という感じにまとまりました。

もう今から準備しないと間に合わないかもしれない・・。
(八木)