2010年12月29日水曜日

事務局が選んだ「2010年5大ニュース」

今年も1年、DEARにご協力・ご支援いただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで、大変充実した1年になりました。
今日は仕事納めで、28日~1月4日まで冬休みです。
ここで、事務局が選んだDEARの「2010年5大ニュース」を発表します!

★1位 教材『地球の食卓』発行 &募金ありがとうございました!
8月1日に『写真で学ぼう!「地球の食卓」学習プラン10』が発行されました。作成にあたり「地球の食卓」募金を設けたところ、192名、109万円の寄付をいただきました!ご協力本当にありがとうございました。売り上げも好調で5ヶ月で300冊売れています。12月からは全国各地で体験講座を実施
中です。
2011年春まで全国で体験講座をやります
★2位 グローバルエクスプレス「ハイチ地震」&ワールドカップ発行&大反響!
1月にハイチ地震があったことを受けて、国内で関心を高め、考えてもらうために「グローバルエクスプレス」教材をウェブで配信しました。また、5月には「ワールドカップ」をテーマに教材をウェブで配信し、その後、朝日新聞にも実践が取り上げられました。ダウンロード数は延べ1万1千件を超えました。

★3位 ODA改革で開発教育の重要性を提言!
外務省のODA見直し事業の中で、市民の意識喚起のためには、ODA広報ではなく、市民が世界の問題を学び、考え、行動する開発教育が重要である旨を提言しました。
http://www.dear.or.jp/org/menu06.html

★4位 ダッカと新宿の現場から考えるシリーズ 始まる!
南アジアの貧困問題に長年取り組んできたシャプラニールと新宿のでホームレス状態にある人々に関わるスープの会、そしてDEARの三者共催のプログラムをスタートさせました。貧困状態とはどのような状態なのか、様々なつながりをテーマに貧困を乗り越える道を考えていきます。
http://www.shaplaneer.org/event/workshop2010.html

★5位 第28回全研 参加者300名を越える!
8月7-8日の日程でJICA地球ひろばで、第28回開発教育全国研究集会が開催され、300名を超える参加者、50名の実行委員・ボランティアに参加いただきました。自主ラウンドや実践事例報告も盛況で、各分科会でも活発な議論がなされました。

いかがでしょうか?みなさんが活用されたもの、参加されたものがありましたか?次は、番外編!事務局内でのニュースです!

<番外編:事務局での大きな出来事>

■1位 事務所が広くなり、資料室が復活しました!
向いのの301号室を借りられることになり、事務所にあった棚を301号室に移し、事務局がすっきりしました。資料室で会議もできるようになりました。

■2位 「動く→動かす」に貢献しました!
世界の貧困をなくし、MDGsの実現にむけた活動に、DEARとしても積極的に関わり、教材作成やStand Up Take Actionキャンペーンの実施などをすすめました。

■3位 セールスフォースCRM導入!
新しいデータベースの構築のために、セールスフォースCRMを導入し、現在JICAアドバイザー制度を活用し、担当の大久保が頑張っています。

■4位 スカイツリーが良く見えます!
DEARの事務所からスカイツリーが良く見えます。朝、昼、夕、季節ごとに違う表情を見せてくれます。

■5位 全研直前の大惨事!
全研の直前、「地球の食卓」の納品時に、在庫室の棚が壊れる大惨事!それも乗り越えなんとか全研を迎えることができました。今思い出しても冷や汗が出ます。

振り返ると、今年もいろいろなことがありました。
そして、改めて、開発教育の活動が広がっていることを実感します。

栄えある第1位に輝いた、教材『地球の食卓』はテーマも環境、人権、文化の多様性、持続可能性と多様であり、何よりも小学生から活用できることを大きな目標にし、対象者もぐんと広がりました。

2位のグローバルエクスプレスは、タイムリーなテーマを扱い、普段メディアでは取り上げない部分に焦点を当て、関心をもってもらうきっかけとしました。ウェブから取り出せることも広く活用された理由の一つだと思います。

その他、今年DEARが関わった事業には、国内の貧困や、つながりを考える研修会、市民がかかわる地域調査や、まちづくりのファシリテーションをテーマにしたフィールドスタディ、コミュニケーションや対立解決講座、MDGsやアドボカシ―実践講座などがあり、その対象者や協力者が多様化しているのが分かります。

開発教育の特徴の一つは、「見えないものを見えるようにする」ことだと思います。あらゆる視点や少数派の意見、問題の背景や構造、普段聞けない声をいかに聞いていくか、その視点を持つことにより、問題と可能性が新しい形で浮かび上がってくると感じています。

そしてそのような学びが、全国各地の学校やコミュニティ、家庭や職場など様々な場に広がっている手ごたえを感じています。それを一過性のものではなく、持続的にするために、また、その学びを個人や組織の行動につなげるために、役員、事務局一同、一層頑張っていきたいと思っております。

2011年もDEARの活動にご指導、ご鞭撻、そしてご協力、ご支援をお願いいたします。
2011年が皆様にとって心豊かな実りの多い年となりますように。
(中村&事務局一同)

2010年12月21日火曜日

対立から学ぶワークin 大阪2010 2つの学び

12月は出張が多く、大阪、高山、福島、名古屋と飛び回り、たくさんの学びがありました!遅ればせながらいくつか報告していきます。
1つ目はJICA大阪の「JICA-NGO連携による実践的参加型村落開発コース」でおこなった対立ワークについて。6週間世界各国の研修生が来て、参加型開発について学ぶコースの中のモジュール3「多様性/インクルージョン」で12月1日-2日の2日間「コンフリクト トランスフォーメーション」の研修を担当させてもらった。2007年度と昨年度に引き続き、今回は3回目。
研修生は、フィリピン、ネパール、パキスタン、グアテマラ、ドミニカ共和国からと、日本の参加者を含めて8名。メインファシリテーターの三輪敦子さんから言われていたとおり、少人数でとても雰囲気がよかった。

今回の研修会で、私自身が学んだことが2つある。1つは「参加者をよく知ること、よく知っている人に助けてもらって進行をすること」。当たり前と言えば当たり前であるが、改めて今回感じたことだ。「対立解決のワーク」は、抑えるポイントが多く、てきぱきとすすめがちだった。今回、三輪さんから時間で区切らず、じっくりと話させてもよいのでは、とアドバイスをいただいた。最初は、今日の予定は終わらないかな、と思ったが、実際、関心のある部分を多くとり、思い切って省いたら、それはそれでよかった。今までゆったりと進んできたこともあり、そのスタイルの方があっていることを確認した。

2日目は、各自の対立の分析。いつもは、3人グループで行なうが、今回は、全員でやった方がよいという三輪さんのアドバイスにより、全体で2つの事例を分析した。一つ目はネパールのYさんの対立事例。コミュニティの学校教員を2名選ぶのに、選考委員内でおきた対立。9名の選考委員のうち6名は穏健派で民主的に教員を選びたい(A)、3名は急進派で権力を持つ委員長がいる。その委員長は自分の親族を教員にさせたい(B)。それに対して穏健派(A)が反対すると、委員長が勝手に学校を閉鎖してしまった。このことに関して、それぞれのニーズ、気持ち、背景、を分析し、解決方法をたくさん出していく。政治的な背景があるので、それは詳しく説明してもらう。どうしても、A側に気持ちが偏るが、あくまでも中立的にBの気持ちやニーズも分析する。そうすると、力をみせたい、尊重されたい、特に学校教育に影響力を持ちたい、などがでてくる。そして、解決策をみんなで出し合う。委員長ではないもう一人の委員と話す。子どもたちに手紙を書かせる。学校ではない場所で青空教室を開く。大体出たかな、と思ったところで、少し間があった。疲れた顔をしている参加者もいる。こういうとき、ここで続けるか、一旦やめるか、いつも悩む。すると、三輪さんから言われた。「これ、もう少し出そうだからグループでやりません?」なるほど、それは考えなかった。その後3つのグループになると、熱心に議論が始まり、また、新しい解決策が出た。教員のうち一人は委員長の親族でももう1人はA側で選び、一旦教員をやらせてみる。メディアで学校閉鎖の問題を海外に知らせる、などなど。事例を出したYさんは非常に満足げで、早速、メールでこの解決策を送る、といっていた。

1人で進行すると、プログラムを続けるかやめるかの判断が難しい時がある。こうやって他の人の目が入ると冷静に次の展開を考えられる。何より、参加者をよく知っている三輪さんがいてくれたことが本当によかった。また、可能な限り進行は、複数でおこなえるとよいとも感じた。別の視点で全体を見てくれる人がいるのはとても安心できる。その後、もう1人の事例を全体で分析し、ミディエーションの練習をし、ふりかえりをして終了した。

グループの解決策を発表する研修生
今回のもう1つの学びは「参加者に任せることの重要性」である。これは、私が帰った翌日の出来事を聞いて実感したことだ。
翌日は、モジュール3全体の振り返りであったが、三輪さんは出られず、サブファシリテーターの堀内さん(AMネット)にお願いしていた。研修生に何がやりたいかを聞くと、対立の分析をしたいと言う。まだ分析していない研修生の事例を使い、自分たちで分析を始めたと言う。その間、話を聞かない人も出てきて崩壊しそうにもなりながら、お互い助け合って複数の解決策を出したという。

後でその話を聞いて、とてもうれしかった。その様子を見たかったな、と思いつつ、三輪さんも私もいなかったから、そのような流れになったのだろうと思った。ある程度になったら任せること。任せられて、実際に自分たちでやってみることが、本当の力になる、と改めて思った。

以上のように、私自身の学びの多い2日間でした。この機会をいただいた三輪さん、堀内さん、研修生のみなさまありがとうございました!

研修生と一緒に
(中村)

2010年12月7日火曜日

リアル「国の中の多様性」in沖縄

前回に引き続き「地球の食卓」in沖縄レポートです。
4日(土)に日米の高校生対象に実施したワークショップ。
軽いアイスブレーキングのつもりでやった「食べものビンゴ」は、意外にも発見がいっぱいありました。

教材「地球の食卓・学習プラン10」のひとつに「国の中の多様性」というアクティビティがあるのですが、これを地で行く展開に。2つのエピソードをご紹介します。

今回のプログラム用に沖縄/米国バージョンでつくったビンゴシート。朝ご飯は「カレー」?好きなアメリカ料理は「マクドナルド」!嫌いな食べ物は「玉ねぎ」‥。
その1:「好きなおにぎりの具は?」

ビンゴの中のひとつのセルに「好きなおにぎりの具は?」というのを入れました。セルを全部埋めたアメリカの子に答えを言ってもらったところ、なんとその答えは「miso」。ミソ…?味噌か!?
このとき、「味噌おにぎり」を理解していなかったのは、その場にいた120人の「島人(しまんちゅ)」の中で、いわゆる「ないちゃ~(内地人)」のわたし一人だったようです。恥ずかしげもなく、「味噌のおにぎりって、なんですかー?」と聞いてしまい、会場は一瞬の静寂。

その後、「ああ。この人は“ないちゃ~”で、“肉味噌”を知らんのねー」と気がついた皆さんが、「沖縄では、肉味噌をおにぎりにするんですよ、これが、おいしいのよ」と教えてくれたのです。
沖縄において、わたしは完全にマイノリティでございました。失礼しました。
豚肉以外にも、カツオと味噌のもおいしいそうです。

基地のハイスクールの子も大好きな、味噌おにぎり…。
確かに、コンビニやお惣菜屋さんには、ポーク卵にぎりと共に、味噌にぎりは主役でした。ひとりで、ひそかに実食しました。

その2:「好きなアメリカ料理は?」

ある沖縄の高校生が、この質問に「タコライス」と答えました。
タ・コ・ラ・イ・ス!
「これってアメリカ料理だっけ?」と聞くと、「沖縄だよね」「うーん、アメリカ料理じゃないかも」「メキシコじゃない?」などなど。

これはタコス
タコスはもともとはメキシコの食べ物。
それが、移民や南部アメリカ経由でアメリカに普及してアメリカのタコスになった。そして、米軍基地のある沖縄の基地近くのお店でごはん(お米)とドッキング。で、沖縄タコライスの出来上がり。

こんな文化・民族チャンプルーな歴史は、わたし世代以上は知っているけど、高校生には「アメリカ料理」なんだなー、と引率の先生たちと終了後に話し合いました。「タコライス」も、歴史や沖縄、文化の多様性を学ぶための、いい教材になりそうです。
(八木)

2010年12月5日日曜日

日米高校生と「地球の食卓」in沖縄

沖縄県教育委員会と沖縄ユネスコ協会から講師派遣のご依頼があり、沖縄にやってきました。
対象は県立高校の生徒45名と、米軍基地内ハイスクールの生徒45名。引率の先生方も入れると120名近い人数の、日英バイリンガルの交流イベントです。

午前中はレクリエーション。
DEARともお付き合いの長い沖縄の先生たちが、次々繰り出す「五色つなひき」や「じゃんけん列車」に生徒たちも夢中になり、ものすごい盛り上がり!緊張気味の日米の高校生たちも、すっかり打ち解け、休憩時間には写真を撮りあったり、おしゃべりしたり。
先生たち、さすがです。すっかりアイスブレークされた後は楽しいランチタイム。

そして、午後はワークショップ「地球の食卓」です。
今回は、対象が高校生、日米の生徒、そして日本語・英語を使うということもあり、シンプルに「国あてクイズ」と「ランキング」の2時間のプログラムを計画しました。「ランキング」は3種類やろうと考えていましたが、予想以上に意見がたくさん出たので、2つに変更。以下の流れで実施しました。


(1)食べものビンゴ
「朝ごはんは何を食べた?」「好きなおぎにりの具は?」など16種類の質問がセルに書かれたシートを、質問しながら埋めていくビンゴ。全部のセルを埋めた生徒が5人もいました。

(2)国あてクイズ
インド、中国、エクアドル、エジプトの4枚の写真を配り、うち1枚を読み解いてもらうフォトランゲージ。なんと、中国とインド、エクアドルは見事に正解!中国は「一人っ子だから」、エクアドルは「バナナの生産国だから、ポンチョが南米っぽい」とすごい洞察力。

(3)ランキング×2種類
ここから、日本とアメリカの写真2枚を足して、合計6枚の写真でランキング。
日本とアメリカの写真を見た生徒たちからは、なぜか笑いとどよめきが…。

ランキング1つ目は「ごみがいっぱい出そうな順番」、2つ目は「体によさそう、健康的だなと思う順番」に並べてもらいました。もちろん、どちらも正解があるものではありませんが、日米ともに、あまり好ましくない結果に。生徒たちは現状とっても冷静にみていて、
「日本は包装が過剰、全部がパックされている」
「アメリカはジャンクフード食べすぎ、ソーダ飲みすぎ、野菜食べなすぎ」
「ごみってほとんどがプラスチック=石油、紙=木も多い」
「日本は品数多くて健康そうだけど、実は加工食品も多い」
「エクアドルの家は自給してるから、農薬とか使ってなさそう」
「家族の表情を見ると、すごく幸せそうなところは健康だと思う」
などなど、本当にたくさんの意見が出ました。
それぞれのランキングの後に、「資源の消費量」や「栄養不足人口/肥満人口」などの各国データも読み込んでみました。

あっという間の2時間。
資源をいっぱい使って(捨てて)、食べすぎになりがちなライフスタイルを生徒たちはしっかりと理解していて、問題意識を持っていました。

そして、印象に残ったのは、沖縄の高校生が英語で発表しよう、話そうとしていたこと。そして、米国の高校生も日本語で発表しよう、話そうとしていたことです。お互いに声を掛け合い、思いやる気持ちがあふれていて、素敵でした。
(八木)