2011年11月28日月曜日

ユネスコスクール全国大会 出展報告

こんにちは。インターン生の伊藤です。11月12日に東京海洋大学で開催された第3回ユネスコスクール全国大会の報告をします。
ユネスコスクール全国大会は持続発展教育(ESD)の研究会として行われ、主に教員の方が全国から集まりました。

今大会の主なプログラムは、
午前:特別講師さかなクンによる研究授業
午後:分科会、国立教育政策研究所によるシンポジウム「ESDの授業の在り方」
でした。

私たちはNGOなどの団体ブースでDEARの教材を展示し、活動や実践例などを紹介しました。

まず午前中に行われた、さかなクンによるESD実践(招待されたユネスコスクールの加盟校である区立小学校の6年生が対象)をのぞいてみると…
しゃべるしゃべる、あの調子で。
自身で作成した絵を使いながら魚にまつわる話で子どもたちをぐいぐい引き込んでいく。質問に答え正解した子どもには絵をプレゼント。さかなクンが子どもたちに質問を投げかけると、一斉に手が挙がります。その様子は魚釣りならぬ子ども釣り。魚にまつわる話や話しぶりの印象が強すぎましたが、この授業の趣旨である「環境を考える」、「食べ物に感謝する」などの最後のさかなクンからのメッセージはちゃんと子どもたちに届いたでしょうか。

さかなクンの授業
DEARのブースにも、多くの参加者の方がESDに活用できる教材を探しに足を運ばれました。熱心な先生方です。

私の小中学校時代もDEARが行うような参加型の授業があったらよかったのに。参加型の授業を楽しみ、世界の問題をより身近なこと、自分のこととしてとらえることができたら普段のニュースをはじめとして世界のあらゆることに興味関心を持つようになります。そして問題意識を抱けば、どうすれば問題が解決するのか、そのために自分は何ができるかを自問させることにつながるのではないでしょうか。

DEARのブース
先生に説明(右側が私です)
お話した先生の中で、埼玉県の小学校で福島から転校した生徒に対するいじめを題材とした授業を展開している児玉先生にお会いしました。震災後の教育がどうあるべきかが問われるなか、今どうしても教える必要のあること、教育で扱うべきことをきっと先生方は模索されているのでしょう。

しかし、実は多くの先生方がDEARなどの団体ブースに立ち寄ったのはほんの数分。昼休みの少しの時間と、午後の分科会とシンポジウムの間の10分だけ。常に何かの催しがあり、ブースで教材を選んだりお話ししたりする時間が十分にありませんでした。せっかくの機会ですから、プログラムの中にこのブースを見て回る時間枠をとれるといいのですが。

どのようなESDが実践されていて、どのような効果を得ているか、現場の先生方と話をより深めたかったです。しかし、企業のCSRや他団体の多様なESDの推進方法から、さまざまな視点でESDをとらえるいい機会になりました。
全国大会スタッフの方々、参加者の皆さんありがとうございました。
(伊藤令華)

2011年11月24日木曜日

講座「世界とわたしを考える授業づくり」 by 授業づくりサークル

11/18(土)に上智大学にて講座「世界とわたしを考える授業づくり」が行われました。 前回ブログで紹介した『世界と私と未来をつなぐ授業づくりガイド』の発行を記念しての講座で、授業づくりサークルにとっては、ここ数年の集大成となるイベントです。

DEARは会員に小学校の教員が少ないこともあり、普段の授業づくりサークルの講座はわりと小ぢんまりしているのですが、今回は、いつも以上にたくさんの人が参加してくれました。リピーターの先生の他に、大学の先生から勧められて来た学生も多かったです。中には、岐阜から参加してくださった学生さんもいました(遠くからありがとう!)。

第一部の実践報告は、サークルメンバーの島田さんが「微生物からつながる世界~水・ごみ・食べ物から持続可能な生活のあり方を考える」を、加藤さんが「世界とつながる私たちの暮らし~パーム油から“地球・人にやさしい”を考える」を発表しました。

 「微生物」の参加者のアンケートから(学んだこと・気づいたことは?):
  • 子どもたちの発想の豊かさ、大人が思いつかないような意見や感想がすごいと思った。だんだん内容をタイムリーなものに発展していく面白さ、重要さを学んだ。
  • 子どもの中にある「なぜ」「どうして」を引き出す授業・教材・発問が重要。工夫次第で、子供の疑問は生み出せる。
  • 授業に関連して、ミミズを飼ったり、メタンガスやアルコールを作ったりしていんだ!という発想をもらえた。さっそく実践してみたい。
「パーム油」の参加者のアンケートから:
  •  身近な所から授業を作り上げることができ、そのような授業の方法によって生徒たちの興味や関心が強くなり、より参加型の授業を展開できるということを学び、感じた。
  • 環境問題など「正しい一つの答え」の出にくいテーマを扱う時、大事なのは正解を出そうとすることではなく、子どもたちの自発性を引き出すことである、というのは新しい視点でした。また、こうしたテーマを“問題”と教師が一方的にレッテル貼りをすべきでないのでなないかという考えも魅力的だった。 
第二部「オリジナルの授業をつくる手法・アイデア」
第二部では、長年小学校で身近なモノから世界へとつなげる楽しい学びをつくってきた千葉保さんから「オリジナルの授業をつくる手法・アイデア」について話していただきました。導入の「食」が付く漢字の成り立ちのクイズで参加者の心をぐっとつかみ、後半は、DEARの教材『写真で学ぼう!地球の食卓学習プラン10』の写真でフォトランゲージをしながら問いかけ重ね、参加者はグループで色々と話し合いました。まさに参加者が参加しながらの気づきと楽しみがたくさんの内容でした。

 参加者のアンケートから:
  •  身近なものを対話のツールにすることが子ども達の関心を強く掻き立て、活発な授業が展開できることに気づいた。
  •  自分が楽しいと思うことを授業にすれば面白くなると思った。
  • 今まで思いもよらなかった視点で物事を考えられた。
  • 授業づくりに自信と勇気を持って取り組むようにエールを頂いたようで、元気が出た。
  • 対話型の授業づくりへの意欲と決意を新たにした。
  • 現状を嘆くのではなく、その中で自分は何をするのかを考え先生同士や子ども同士、先生と子どものつながりを作っていきたいと思った。
今後、姉妹講座が埼玉・神奈川で行われます。今回の講座と実践発表も講義の内容も異なるため、初めての方も今回参加した方も、ぜひお越しください。
*講座@埼玉は、1/21(土)さいたま文化センターにて ※受付開始12/2
*講座@神奈川は、2/18(土)JICA横浜にて
詳細 ⇒ http://www.dear.or.jp/getinvolved/event.html#1119

『世界と私と未来をつなぐ授業づくりガイド~開発教育・ESDを教室へ』を発行!

“DEAR授業づくりサークル”による実践報告と授業づくりのコツをまとめた冊子『世界と私と未来をつなぐ授業づくりガイド』が先週発行されました。


 “授業づくりサークル”は、 学校の授業のなかで、開発教育や参加型学習をすすめる方法を考え、経験交流を図ることを目的として、2008年から活動しています。メンバーは主に小・中学校の先生が中心です。今回の冊子の実践報告は、DEARではめずらしく、みんな小学校の先生によるものです。「微生物」「パーム油」や「わがまち(地域)」「国際協力」などをテーマにした一連の授業が丁寧に追って書かれており、数カ月から半年を通しての展開が分かり、子ども達の気づきや学びがよく伝わってくる内容となっています。

実践報告の他に、「授業づくりコツ・実践のポイント」についての解説や、長年開発教育に取り組んでいる中学・大学の先生のお話もまとまっているので、小学校の先生だけでなく、学校教育に携わっている人におすすめです。

詳細は ⇒ http://www.dear.or.jp/book/book02_mirai.html

2011年11月18日金曜日

キャサリン・サリバンさんTalk&Workshop 「3.11以後を生きる」

キャサリンさんと安原はづきさん
初めまして。9月よりインターンをしています。末永です。
私は今年の4月~7月までの80日間、「ピースボート」というNGOが運営している地球一周の船旅に参加していました。その中で、世界の社会問題について勉強する「地球大学」というプログラムに参加し、下船後にDEARでインターンをしています。

11月13日(日)に開催された「キャサリン・サリバンさんTalk & Workshop 3.11以後を生きる」に参加しました。最初にキャサリンさんについて少し紹介させていただきます。
キャサリンさんはニューヨーク在住の核問題の専門家・平和教育家であり20年以上核問題にかかわり、世界各国で主に若者を対象に、市民団体や、政府関係者、国連などと、核廃絶に向けたプロジェクトを行ってこられました。ピースボートの地球大学などでもワークショップをされています。

そんなキャサリンさんを迎えて行われたワークショップには20人の参加者が集まり、教員の方が多かったようです。
ワークショップの始めにキャサリンさんが、ここではみんなが安心して参加してもらいたいので話されたことはこの場にとどめましょう、という話をされました。

そして、各々の自己紹介として、
①今日どこから来たのか 
②なぜこのイベントに参加しようと思ったのか
について2分程度で話しました。

②に関しては、各参加者が、震災や原発について話題を避ける最近の雰囲気について感じている違和感や、周りと自分の考えの間にあるギャップ、原発問題に対する疑問、怒り、不安などの気持ちをそれぞれ話しました。

その後、2人組になり、順番に以下のことを話しました。その間、聞き手は質問をしないで傾聴しました。

①今の福島の状況や世界の原発の問題を考えると状況は・・・に続く話をする
(原発の状況とこれからについて考えていること)
②今の福島の状況や世界の原発の問題を考えると私の気持ちは・・・に続く話をする
(原発の状況とこれからについて感じていること)
③もし自分が全ての力や資源を持っているとしたら、福島の現状や世界の原発について・・・をしたい
(原発の問題に対して自分がやりたいこと)

そして休憩をはさみ、参加者の一人の中村紘さんに、広島での被爆体験をお話しいただきました。ご自身は幼い時に被爆をされたのであまり記憶がなく、人前でお話されることもなかったようなのですが、先日、南相馬の高校生と一緒にピースボートに乗って話をしたことから、今後はもっといろいろなところで被爆体験を話したい、とお話し下さいました。

その後、3人グループになり、相談会のワークを行いました。先程、2人組で話した③の質問、原発の問題に対して自分はどのような行動をするか、についてより具体的に考え、他者から質問をしてもらい、計画をより明らかにするワークです。3人組で

①話す人
②話を聞いて質問する人
③内容を書きとめる人
の役割を順番に担いました。

自分の中で実現したいイメージを話し、聞き手にいろいろな切り口から質問を投げかけてもらい、書き手には、その内容を書きとめてもらったので、終わった後も時々それを見返すことができます。
話すこと、聞いてもらうことで、自分の中の気持ちや考えの整理ができました。

最後にキャサリンが話してくれたことですが、「人間は、感情と言葉を切り離して考えようとする。でも、感情を持つことで例えば怒りであれば「もっとこうしたい」と志向を変えることができるし、孤独感であれば「人とつながりたい」とモチベーションを上げて行動をするきっかけを作ることができる」という言葉を聞いて、感情で物事を考えてはいけないと意識していましたが、気持ちが楽になりました。

また、福島の川俣町からわざわざ参加して下さったSさんが、みんなが福島のことを真剣に考えてくれていることが嬉しく、行動をしていこうという気持ちになった、とお話し下さったことも、強く心に残りました。

今回のワークショップで改めて、自分の中にあるモノを外に出すことで頭の整理になるし、実現したいというモチベーションになりました。すこしでも多くの方が、本音で話せる場をふやしたいし、そんな場があるということを伝えたいと思いました。

私も、草の根レベルからですが、小さなコミュニティからこのようなイベントを発信していきたいと思います。キャサリンさん、通訳の安原はづきさん、そして参加者の皆さん、ありがとうございました。
最後に感想を言う参加者
(末永知実)

都立大森高校(定時制)でのワークショップ

はじめまして。ボランティアの三宅麻子です。昨年から週一回ボランティアをさせて頂いているのですが、ブログは初めて書きます。

10/25、26の2日間、都立大森高校(定時制)でのワークショップに同行させて頂きました。大森高校では国際理解ウィークというのを行っており、DEARでは、毎年、高校1年生を担当しているそうです。

今年はクラスの7割、25名前後の参加がありました。定時制高校なので、例年、10代の生徒さん以外に年配の方や外国の方、社会人の方などが結構いるのですが、今年はほとんどが10代~20代の日本の生徒さんでした。

実際に授業をやってみると、皆一生懸命ワークショップに参加してくれ、とても盛り上がりました。例年、活動に関心を示さない生徒がちらほらいて、いかに参加してもらうか苦労するのですが…今年は不要でした。

特に、1日目の貿易ゲームを行った際は、生徒たちがワークショップ終了後も興奮冷めやらぬ口調でゲームについて友達と話しているのが印象的でした。クラスの雰囲気がすごくよく、何より皆がゲームに一生懸命参加してくれたので良かったです。

最後の振り返りのときも、自分の考え・思いを持っている生徒が多く見受けられたのが印象的でした。ただ、ちょっと気になったのは生徒たちと話していると、「世の中そんなもんでしょ」とゲームの中での不公平さ、世の中の格差についてとても覚めた視点で見ている生徒がちらほらいたことです。現代っ子ってそんなものなのかな…?ちょっと寂しいけど。

先生によると、貿易ゲームは、生徒の印象に強く残るワークショップらしく、3年生、4年生になっても、貿易ゲームをまたやりたいという生徒さんもいるほど人気らしいです。嬉しい限りです。

また、2日目の前半の地球の食卓の写真を使ったワークショップでは、アメリカ、ドイツ、中国、ブータン、エジプトの写真を渡して、住みたい国や豊かな国、ごみが少なそうな国などお題を出して、ランキングしてもらいました。写真を見ながらということもあり、グループ内の会話もすごく弾んでいました。

全体を通して感じたのは、受け身で話を聞くのではなく、手を動かして作業する授業、写真や映像など目や耳に訴える教材を多く使った授業だと、やる気のない生徒でも参加しやすくなるということです。普段の授業でも、座学ではなく参加型の授業がもっともっと増えれば、子どもたちの勉強に対する意識や熱意も変わるんだろうな…と思うのですが。

個性豊かな生徒さんが沢山いてとても協力的だったので、お手伝いさせて頂いていてもとても楽しく、2日間有意義な時間を過ごすことができました。ありがとうございました。
(三宅麻子)

2011年11月11日金曜日

「東南アジア青年の船」ワークショップ

初めまして。11月からインターンをしている加藤優子です。
大学では開発教育を専門に勉強していますが、まだまだ初心者なのでDEARでのインターンを通してますます開発教育について詳しくなっていきたいと思います!

さて、2日(水)に、「国立オリンピック記念青少年総合センター」(通称:オリセン)にて「東南アジア青年の船」参加者のASEAN諸国のみなさんと「貿易ゲーム」を行い、アシスタントとして参加して来ました。「貿易ゲーム」は開発教育を代表するワークショップのひとつですが、今回はアイスブレイキングも含め、一部始終を英語で行ったことが特色です。

アイスブレイキングでは、身長の高さや誕生月、小指の長さの順番に並ぶアクティビティをやりました。話してはならないというルールの中で、みなさんチームワークを発揮していました。


「貿易ゲーム」はA~Gまでの7つのグループに分かれて行いました。
Aのグループにはたくさんの紙やハサミなどが提供されていたのに対し、Gのグループにはくしゃくしゃな紙と折れた鉛筆1本という極めて不平等の中から開始されるこのゲーム。初めのうちは、戸惑っていたグループも、「何か情報はない?」などと積極的に関わって来ました。さすが、「青年の船」に乗っているみなさん。各グループの大統領役をはじめとして、道具に恵まれている国と交渉して貸し借りをしたり、貧しいグループ同士で協力し合ったりと工夫していました。
 
今回は、貧しいグループに対して、NGO役が折り紙を提供し、何か作品を折れば100ドルで買い取るという制度を実施。各グループ、定番の鶴からとても凝っている船などを折り、届けられる作品のクオリティに驚きました。
 
会場は終始熱気に包まれ、振り返りでは、世界の格差について、それぞれが優越感や不満などを身を持って体験した様子がうかがえました。
 
ワークショップ後に、参加者は横浜から「青年の船」の乗り、東南アジアへ出港したそうです。充実した日々が送れるよう、願っています。
(加藤)