2013年11月20日水曜日

ジョバーグで学んだこと

DEEEPの会議の後、CIVICUS(市民社会の世界的連合組織)主催の講演会「Old Struggles, New Movements」がUniversity of Witwatersrand(ウィッツ大学)で開催された。世界の活動家が集まり、市民社会がどのように世界に変化をもたらすことが出来るのか、過去と現在の問題から学ぶために何が出来るのかが語られた。

スピーカーは以下の通り。
Jay Naidoo
南アフリカ労働組合会議(COSATU)の創設者
反アパルトヘイトの活動家で、現在は、国際NGOゲイン (Global Alliance for Improved Nutrition, Geneva)の理事長。
Adam Habib 
ウィッツ大学副総長
政治学教授であり、民主主義や社会運動に関する多数の著書がある。
Winnie Byanyima 
オックスファムインターナショナル 事務局長
ウガンダでエンジニア、政治家、外交官、活動家としても活躍。女性の地位向上にも務めUNDPを経て、2013年より現職。
Jenni Williams 
Women of Zimbabwe Arise(WOZA)創設者
ジンバブエの人権活動家
Joao Scarpelini 
#ChangeMob 共同創設者 http://change-mob.org/
ブラジル系イタリア人活動家、社会企業家。
Aya Chebbi 
Peace Revolution Project アフリカユースコーディネーター
チュニジアの若手活動家。アマチュア写真家、ブロガ―、ピースコーチ。


JayやWinnieなど、人生をほとんど闘ってきた人たちの声はとても力強い。

Winnieの言葉から
「私たちははじめは政府と闘っていたが、安定した政府がつくられると今度は、先進国の大企業に対して資源を守るために闘わなければいけない。私たちは、援助はいらない。援助漬けのせいで、闘わなくなってしまった。援助ではなく尊厳が欲しい。正義が欲しい。南と南の協力をもっと進めるべきだ」


JoaoやAyaなど、若者も負けていない。
「若者のコミュニケーションは今の大人と異なっている。最近の若者は怒らないと言われるが、私たちは実際に非常に怒りを感じている。そして、それを使って行動を起こしている。若者は若者として、もっと活動したいと思っている」

「アラブの春から大きな変化があったか、と聞かれるが、大きな変化はなかった。しかし、私たちはその後も活動を続けている。私たちはそれぞれで得意なことを活かして活動をしている。みなさんの得意なことから始めてほしい」

そして最後に、私たちに投げかけられた言葉は
「you are unstoppable/活動をつづけなさい」

過去から学ぶこと、未来を一緒に考えること。
それぞれの立場でできることが、必ずある。
勇気をもらえた講演会だった。

そして、最後の日、また高達さんに、最貧困層が住むタウンシップ(黒人が住むコミュニティ)に連れて行ってもらった。
高級住宅街やピカピカの商業施設が並ぶ眼と鼻の先には、吹けば飛ぶような掘っ立て小屋が並び、犯罪がはびこり、感染症が蔓延するスラム。昔からの光景だ。それは、今も変わらない。4日間行われた会議場の足元に広がる風景だ。




私たちは、何を見て、どこへ向かっているのか?
自己満足に陥っていないか、もっと現場で考えていく必要を感じた。

南アフリカにある今も続く植民地支配、差別の構造を、身近に感じながら、今回の会議が行われたが、市民社会も、同じような構造を作らないように、細心の注意を払う必要があると思った。

奪われたものを取り戻すための活動を支援しているつもりが、支配の構造を強化するようなものになってはいけないと強く思う。

GCAPの会議も、DEEEPの会議も、どこか上滑りな印象もあった。
とはいえ、世界の問題を一緒に議論していくことは、やはり重要だ。
その際に、どれだけ多くの人の声を聞けているのか。ここにいない人は誰か、を意識しないといけないと思う。

今、中東や北アフリカで起きていることは、とても大変なはずなのに、そのことはどちらの会議もあまり扱っていなかった。そもそもそこからの声は聞こえて来ない。

フィリピンで大きな災害があった。災害救済はもちろんのこと、それを起こしている側の責任を問うていかないといけない。さらにもっと大きな災害を引き起こす原発の問題についても、日本からもっと発信する必要があると強く感じた。

今回、学んだ「開発教育の役割」は、考え続けるため、行動を続けるための様々な情報をみんなで共有して、議論し、学ぶ場をつくることだろう。

「考えることも行動することも、やめてはいけない」
DEARとしても重要な使命をいただいた気がする。
(中村)

2013年11月18日月曜日

ヨハネスブルグ会議2日目

昨日の続きで、「オープンスペース」での話し合いを続けた。
私は、やはり、今の構造をつくり、持続させている背景をきちんと見ていくことを提案した。
ひとつは、植民地支配などの歴史的背景である。特に、この南アフリカにいて強く感じたことでもある。日本で起きている「ヘイトスピーチ」などの背景にも、この歴史に対する認識が低いことがあると思うから。


今あるものをどうやって分けるかではなく、何百年の歴史の中で奪ってきたものと作り上げてきた構造をきちんと、見ていかないといけないと思う。
今から始めるのではなく、過去から学ぶこと。
この意見に対しは、アフリカの人たちは大いに賛同してくれた。
昨日から続いている宣言文への提案にも、歴史から学ぶということは、意見として提出した。
それぞれのオープンスペースの提案を共有し、昼食の後は、全体での討論を行った。

全体討論は、手法としては面白かったが、200人、それも多様な背景を持つ、貴重な参加者から意見を聞く方法としては、別の方法があったかもしれない、と思う。
何をしたかというと、議論が分かれる文章に対して、Yes,No で分かれ、その後、ディベートをしていくもの。
その間に、最初に出された文章を一緒に変えていく作業が入った。
出された文章は以下のようなものであった。

  1. 西洋的な考え方を中心とした地球市民活動は必要ではない。私たちは、地域のコミュニティを支援していくべきだ。
  2. 貧困と開発について話すのはやめて、過剰な富や再分配、正義について話そう。
  3. 働きがいのある人間らしい仕事(decent work)をする権利と、労働市場を分けて考える必要がある。世界共通のベーシックインカムが必要だ。
  4. 私たちは、世界の民主主義をグローバルな議会会議や世界市民パスポートによって樹立するべきだ。
などなど。DEARでもみんなと話したら面白いテーマである。



それぞれの提起しているテーマは面白く、議論を深めていくきっかけになったが、その後の議論は、言葉の定義や説明が多くなり、参加者はどんどん減ってしまって、最初は200人いた人たちが、半分くらいしか参加できなくなってしまった。

ディベートの部分は、「フィッシュボール」と言って、意見がある人が椅子にすわり、発言をしていく方法。発言をしたら、椅子を開けて、新しい人がまた座って発言する。ディベートまではよかったが、その後の言葉の問題になると、専門的になって、ニュアンスが人によって異なり、参加が難し人が増えた。

今回の会議で特に気になったのは言語のこと。英語で進められるとどうしても、英語が得意な人が中心になる。社会的弱者からのヴォイスを聞く、と言っている割には、その配慮は足りないと思った。

さらに、英語で進めることで、その枠組も、価値観も西洋的なものとなってしまうのを、進めている方はあまり理解していないかもしれない。そのことは、口頭でも主催者に伝えたが、文書で出したいと思っている。

最後に宣言文は、「ヨハネスブルグ コンパス:質問と方向性」という表現になっていた。


そんなに性急に宣言を出すことより、もっとみんなで質問を出し合ったら、というBayoさん(昨日の基調講演者)からの提案があったからでもある。それは私も同感だった。宣言文を作るために、努力はされていたようだが、ここで合意を得るのは難しく、ここにいない人の声は入らない。
とはいえ、西欧中心の発想や世界観をなんとか変えていきたい、という意気込みは伝わった。今後も、このような議論を2年間続けていきたいということだ。ウェブ上でもつながっているので、意見交換にも参加していくつもりだ。

会議の後に行われたCIVICUSのイベント、全体の感想などは、次のブログに書きます。
(中村)

2013年11月15日金曜日

ヨハネスブルグ会議1日目

11月11日、12日は、DEEEP、CONCORD、CIVICUS、GCAPが共催する「ヨハネスブルグ会議」が行われた。
タイトルは「Building a global citizens movement」
全体の目的は、より公正な社会をつくるための市民の国際的な連帯を始める事である。


世界中からの参加者総勢200名近くが集った。
色々な人の顔を見ているだけでも面白い。


最初に今回の会議の趣旨が話された。
今までの社会の枠組みを変えていくために、いろいろチャレンジしたいこと、参加型で行なうことなどが伝えられた。
そして、主催者の方々の挨拶のあと、参加者同士の参加者の自己紹介(speed dating、向かい合った人と3分で自己紹介し、交代していく方法)、基調講演と続いた。
基調講演は、ナイジェリアのBayo Akomolafeさん。
詩人でもある彼が、自分のはじめての娘が生まれた感動から話が始まり、先進国が進めている開発を目指していくことへの疑問、効率主義の発想を変えていくことの必要性が話された。
もっと、スローダウンして、頭ではなく、心で感じていくこと、などが話された。
詩的な表現を上手く使いながら、みんなを引き込んでいた。

昼食の後は、「Open Space」といって、参加者から話し合いたいテーマを出してもらい、それに参加したい人が、参加する手法。
20くらいのテーマが出され、それぞれ10人くらいのグループになった。
私は、「Greed or Growth?/欲と成長について考える」というテーマのところに行った。




参加者は15人くらい。それぞれの意見を交わした。
アメリカの青年が、例えば、ユニバーサルなベーシックインカムを導入したらどうか?と言ったのに対して、アフリカ勢は猛反対。誰がその所得を決めてどのように管理するのか、を考えないと非現実だという。
フィンランドの人は、自国の税の高さを大変であるが、ヒントにはなるのでは、と紹介した。
欲というと個人の欲のように考えてしまうが、集合的に考えないといけない、とウガンダの参加者がいう。
大量消費の概念は、どこから来ているのか、政治腐敗や、多国籍企業へ公的資金が流れている現状をなんとかしないといけない、などの議論が繰り広げられた。
政治が機能していない、というのは、途上国だけではなく、先進国も問題であり、私は、日本の今の原発の問題を説明した。
原発については、いろいろな国で関心があるようで、実際に南アフリカにも原発はある。ドイツの活動家や、ジンバブエのNGOスタッフも、日本での状況に関心を持ってくれた。
結局話し合いは、明日に持ち越された。

その後、また小さなグループで話し合いが持たれ、私は「global commons」のグループに参加した。
グローバルコモンズとはなにか、それをどのように守っていくのか、という議論も面白く、先ほどの議論とつながるものであった。

会議で話されていることは、「ヨハネスブルグ宣言」に反映させるべく、壁にはそれぞれの案に対して、意見が書かれ、それに対して、賛成、反対がシールで示されるなど、みんなが参加できる仕組みができていた。
議論は明日も続く。



(中村)

2013年11月13日水曜日

「ESDグッドプラクティス」として顕彰されました

昨年12月に発行した教材『もっと話そう!エネルギーと原発のこと』が、関西国際交流団体協議会による「ESDグッドプラクティス(=好事例)」として顕彰されました。


11月9日(土)には、日本NPO学会主催の「市民社会研究フォーラム」にて、報告を兼ねたワークショップを実施させていただきました。
学生・研究者・会社員・NPOの方など20名ほどが参加
その際に、はじめて「ESDグッドプラクティス」に選ばれた以下の10事例を知ったのですが、いずれもすばらしい取り組みばかりで、その一つとして顕彰していただいたことに、さらに感激。
  1. モペッ・サンクチュアリ・ネットワーク~オホーツク・紋別におけるアイヌ民族の権利回復と持続可能な地域づくり~(主催:さっぽろ自由学校「遊」)
  2. 環境保全のための大沼国際ワークキャンプ(大沼マイルズトーン22)
  3. 「川崎市子ども夢パーク」及び「フリースペースえん」における子ども・若者たちの自己肯定感を育む居場所事業(フリースペースたまりば)
  4. 釜ヶ崎芸術大学(こえとことばとこころの部屋)
  5. 反貧困学習(大阪府立西成高校)
  6. たかべ みそ汁 元気いっぱい(帝塚山学院大学 畑部)
  7. ピースクリエイターになろう(これからの学びネットワーク)
  8. 菜の花プロジェクト(大阪府立西淀川高等学校)
  9. ハイサイ! やんばるツアー 自然体験と平和学習への取り組み(ハイサイ! やんばるツアー)
  10. もっと話そう!エネルギーと原発のこと(DEAR)
この教材は、「30周年記念募金」により発行が実現したもので、試作教材の段階から、多くの方にアドバイスをいただいたり、実践をしていただいたりして完成したものです。多くの方の参加と協力で作成したプロセスそのものも評価していただいたようで、とても嬉しく、励みになる一日でした。
(八木)

2013年11月12日火曜日

GCAP世界会議2日目

昨日のブリーフィング、経の流れを確認し、各地域グループに分かれて行動と戦略会議をした。

アジアは、シンガポール、フィリピン、インドネシア、ネパール、インド、パキスタン、そして日本。アジアと言っても、東南アジア、南アジアが中心だ。
稲場さんによると、韓国と中国もGCAPがあるが、今回は参加していない。

どちらかというと、来ている人たちは積極的に活動を行なっている人たちなので、引き続き、地域レベル、国レベルで、キャンペーン活動を進めたい、という声が多かった。


そもそも、アジアの人口は、世界の2/3以上。とすると、世界へのインパクトは非常に大きい。
でも一方で、様々な多様性も存在する。多様性を尊重しながら、連帯する必要性が話し合われた。
共通項目としては、自然災害そして人的災害も挙げられ、CBDR(共通だが差異ある責任)の推進も含めて、連帯して各国政府に提案して行くことなどが、挙げられた。

具体的な行動としては、
  • アジアの開発目標を作ること、
  • 1955年に開催されたバンドン会議のように、アジア-アフリカ-ラテンアメリカで会議を行う
  • 各国政府の責任を高めるための協力をすすめる
等が挙げられた。
毎月、共通テーマでデモ行進、ホワイトバンドをもう一度、などの意見もあったが、デモに何万人も集まる南アジアと違って、日本では、違う方法が必要だ。ただ、アジアで共通課題を扱っていくのは、面白いと思う。

昼食は、エチオピアの料理を出してくれた。コーヒもいれてくれて、とってもおいしかった!





午後は、各地域の話し合いの共有と、役員の改選、宣言文の内容について議論が行われた。宣言文は、引き続き明日以降も時間を作って話し合われる。

会議に参加して、色々感じた。
まず、言語。アフリカで行なうなら、フランス語の通訳もつけるべきだし、スペイン語の参加者も通訳を必要とした。それぞれが、ボランティアで通訳していたが、当然ながらフランス語圏、スペイン語圏からの参加が少なかった。

さらに、ここに誰がいないのか、を考えると、中東からは、来ていない。そもそも自分の地域で活動をするには、その国の言語でやればよいのであり、英語で行う必要はない。日本もそうだが、多様な市民活動が行われているのにも関わらず、世界で連帯するには言語の壁は大きい。

とはいえ、驚いたのは、とにかく丁寧にプロセスを踏んでいくこと。それぞれが言いたいことがあり、なかなかまとまらないけど、みんな、相手を尊重して話を良く聴く。そういう姿勢から学ぶことは多かった。
明日からの会議も楽しみです。


(中村)

2013年11月11日月曜日

GCAP世界会議

1時からGCAP世界会議が始まった。総会も兼ねていて、代表や様々な役割も決めたりする。参加者は、約30カ国から、各国の代表が一人づつ。
3年に一度の会議なので、久しぶりに会う人も多いようで、和気あいあいと始まる。


最初に挨拶、自己紹介、今回の会議の目的と流れが確認された。
主な目的は、MDGs(ミレニアム開発目標)の期限、2015年以降のGCAPの役割を確認し、戦略をつくること。GCAPは、Global Call to Action against Poverty の略で、世界の貧困をなくすための運動である。

会議への期待が共有された後、2007年からの7年間で起きた世界の変化をブレイン・ストーミングし、小グループに分かれて、そのような変化に対して、市民社会はどのような挑戦が必要か、そして、GCAPはどのような役割果たすのか、を話し合った。

世界の変化については、ソーシャルメディアの普及や、気候変動、貧困が中流階級にも広がっていること、政府の腐敗や、公的資金が企業に流れていることや、ユースの貧困、問題が多様化していることなどがあげられた。

このような変化の中、GCAPの役割はなにか、が繰り返し、問われた。

また、好事例の報告ということで、「動く→動かす」の稲場さんが、日本の「SUTA」の報告をした。この動員力は、世界の中でも注目されているようだ。


ただ、GCAP自体、資金もなく、国連がすすめるキャンペーンや大手NGOがすすめるキャンペーンなど複数が混在することで、GCAPの役割が益々わかりにくくなっている問題もある。
キャンペーンをやりっぱなしにせずに、具体的な政策提言につなげたり、行動につなげたり、するにはどうするのか、も重要だ。

最終的には、GCAPの「ヨハネスブルグ宣言」をだすことが目的のようだが、なかなか難しいそうだ。

30カ国から代表が来ているので、それぞれの文脈で、貧困や格差、災害や、人権、ローカルの問題や政府への働きかけ、キャンペーンのあり方を語るので、すれ違ったり、同じ所をグルグル回ったり、話し合いは混沌を極めたりするのだが、それでも、丁寧にお互いを聞き合い、進めていくプロセスから、学ぶことは多かった。

特に、アフリカ、ラテンアメリカ、アジアの人達が語る、リアルな、貧困や格差、政府の腐敗、公的資金の不透明な流れなどが、身にしみた。


先進国は、2015年の先を、と言っているが、実際にはまだ解決されていない貧困が山のようにあるし、それは、以前よりも複雑な形で顕在していて、問題は変化をしながら、深刻化している。

変化する世界にどうチャレンジするのか、というような文脈で先進国の人は言っているけど、そんな悠長なことではなく、今眼の前の問題を、どうやって戦略的に解決していくのか、もっと、
リアルに考えたい、というのがアフリカの人たちの主張のような気がした。もちろん両方必要だ。

夜は、有志で宣言づくりの会議が9時まで行われた。
これをつかって各国へのアドボカシーや活動を広げること、伝えることなどに使えるという。
世界の、それも、Global Southと言われる人たちが中心に動いている、のが、GCAPの特徴だろう。


世界の市民活動家は、真面目で、ユーモアがあって、そして熱い!
会議は明日も続く。
(中村)

2013年11月10日日曜日

ジョバーグ(ヨハネスブルグ)のまちを散策

11月9日(土)は、午後から、GCAPの会議のため、午前中は、AJFの稲場さんと、町を歩いた。
昼間は、危ないところに行かなければ、大丈夫そう。

でも、町の雰囲気にどうしても違和感がする。その理由は、稲場さん曰く、「白人が作った町に、黒人が住んでいる」から。そうなんだよね。町は、アメリカのどこかの都市のようなのに、白人は一人もいない。


町の中を走るバスも、とてもキレイで、バス停はすごく立派なんだけど、ソウェトや他のタウンシップ(非白人が住んでいる地域)から通う労働者にとっては、家の近くまでは走っていないので、あまり使えないという。


午後は、GCAPの世界会議に、オブザーバー参加。
ホテルから歩いて10分、アパルトヘイト時代に刑務所としても使われていた「Constitution Hill」の会議室が会場。

ここは、もともとイギリスの侵入を防ぐための要塞であったが、ボーア戦争後、ボーア人(オランダ系移民の子孫)の兵士を収容するための刑務所となり、その後、アパルトヘイトに抵抗する人々が収容されるようになった。マハトマ・ガンディーやネルソン・マンデラも収容されたことがあるという。

現在は、裁判所として使われており、だれもが裁判を傍聴できるようにもなっていて、負の遺産としても自由や人権の重要性を学ぶ場所にもなっている。


塀の上を歩くと町が一望できる。
もっとも危険な地域と言われるヒルブロウもすぐ眼下に見える。
でも、改めて考えると、自分達でつくった町を「危険」にしてしまったのは、支配者層で、その責任は大きいと思う。


ここにある会議施設で会議を行う。なんとなく厳粛な気持ちになる。

参加者は、各国のGCAP推進団体の代表、約30名。いつもは、100人くらい集まるというから
今回はずいぶん、規模が小さい。ビザなどの関係もあり、明日はもう少し来るという。

今回の主な目的は、2015年以降のGCAPの役割を確認し、戦略をつくること。

GCAPは、Global Call to Action against Poverty の略で、世界の貧困をなくすための世界規模の運動である。
メンバーとして、世界100カ国以上の労働組合や市民組織、青少年団体やNGOが連なっており、DEARも、日本のGCAPのプラットフォーム「動く」→「動かす」のメンバーである。


会議の様子は次のブログで。
(中村)

2013年11月9日土曜日

ヨハネスブルグに来ています

11月9日、10日は、GCAP世界会議へのオブザーバー参加、11日、12日は「ヨハネスブルグ会議~地球市民の運動を作る」に参加するために、ヨハネスブルグに来ています。

まる一日かけて、昨日、ヨハネスブルグの空港につきました!

アフリカ日本協議会(AJF)の稲場さんと空港で落ち合い、南アフリカ在住10年のプロフェッショナル、高達さんのガイドで、町を回りました。ソウェトに済む高達さんのお友達のお家を訪問。



世界一危険な町と言われるヨハネスブルグの様々な問題は、アパルトヘイト以降も続く差別や白人支配、極端な格差、社会的な構造を再構築しないままの経済優先の政策、などなど。
若い女性のHIV感染率もとても高いという。なんと、南アの女子生徒の28%がHIVに感染しているとも言われている。失業率の高さから起こる犯罪の高さ。

どこから、手を付けてよいか、という気もするが、それでも、彼/彼女たちのたくましさを賞賛し、子どもやお年寄りを見守り、みんなに声をかけている、高達さんをみていると、尊敬とともに希望も見えてくる。

今回、実は2度目のヨハネスブルグ。一度目は、2002年のサミットでした。それから、11年が経ち、2010年にサッカーのワールドカップも実施し、町はとても綺麗になった。公共の乗り物も増えたし。だけど、危険度は変わらない。

この地にまたこれたことを感謝するとともに、このような場所で、世界の貧困や2015年以降の市民活動を考えるのも、重要だなと思います。
随時、報告します!


ホテルの窓から見える町並み。薄紫のジャカランタが咲いていてキレイです。

(中村)

2013年10月17日木曜日

エネルギーワークショップを実施しました

10月2日(水)、水戸にある茨城県国際交流協会主催の「国際理解教育研修会」にて、エネルギーのワークショップを実施しました。

ワークショップのタイトルは「参加型学習・ワークショップの進め方・ポイントを学ぶ!~エネルギーに関する開発教育教材を用いて~」で、参加型学習について学ぶとともに、エネルギーのワークショップも体験する、という目的でした。

参加者は、県内の学校教員や、民間国際交流団体の方々で、総勢70名。12グループに分かれてグループワークを中心に行いました。

茨城県では、県内の学校にボランティア講師を派遣し、世界のことを学ぶ「ワールドキャラバン」を行っており、年間100件以上、講師派遣をしています。そのボランティアさんもたくさん参加してくれました。

今回は、テーマがエネルギーということだったので、まずは、グループで自己紹介の後、みんなが安心して参加するためのルールを考えました。評価をしない、否定しない、などの言葉が出てきました。


その後、『地球の食卓』の写真を使い、それぞれの家族のゴミについて考えました。ゴミが少ない国とゴミが多い国は何が違うのか、を考え、そもそも、ゴミは何からできているのかを考えました。
ゴミからエネルギーの話に広げ、世界で使われているエネルギーから、電力の話、そして、原子力の話に移って行きました。


特に、原子力の核燃料サイクルが、どのようなしくみで計画されているのか、また、その計画のどこがうまく回っていないのか、を考えてもらいました。
 
そして、『もっと話そう!エネルギーと原発のこと』 の「使用済み核燃料のゆくえ」のワークを行い、放射性廃棄物の最終処分場は、今のところ世界中のどこにもないことに気づくと、会場からため息が漏れました。最後に、「ゆうだい君の手紙」を読み、感想を共有しました。


参加者の皆さんは終始、とても積極的に、参加して下さいました。感謝です。特に、エネルギーや原発等のことについて、色々な意見が聞けて良かった、みんなで話し合う場を作っていくことが大切だ、という意見が多く聞かれました。以下、感想をいくつかご紹介します。
  • エネルギー(原子力)について真剣に身近に考える機会になった。ワークショップの面白さも体験できた。
  • グループの中で様々な視点からの考え方を聞くことが出来、思い込みや固定観念を脱皮することが出来て、大変勉強になった。
  • エネルギー問題を考える展開、手法がとても役に立った。
  • 自分の意見をしっかり持ったうえで、他者の意見を尊重する姿勢を学んだ。
  • 参加者一人一人が問題について、思考して判断、表現できる場を作っていくことが大切だと感じた。そのために、ワークショップがいかに有効かが分かった。
エネルギーについて一人一人が考え、安心して話し合える場がもっともっと広がるとよいな、と思っています。
(中村)

2013年10月7日月曜日

グローバルフェスタ ワークショップ報告

はじめまして。ボランティアの時里です。
先日行われていたグローバルフェスタにてプチ・ワークショップをさせていただきましたので報告します。

今回は「パーム油のはなし」を約1時間の短縮版でおこないました。私としては、何度か参加し、お手伝いをしたことがあるワークショップだったのですが、ファシリテーターをするのは今回が初めて。
本当に準備段階からドキドキ。そして、バタバタ。

当日はあいにくの雨模様だったこともあり参加者が集まるのかと心配しましたが、中学校の先生がたくさんの生徒さんを連れてきていただいたりと約20名の方の参加がありました。

ちょっと緊張しています
流れは、自己紹介
→パーム油が使われている商品はどれかを話し合う
→パーム油に関する説明
→パーム油に関わりがある人々になりきるロールプレイ
→自分に何ができるのかランキングする、で進めました。
短縮版ということで、時間通りに終わるか心配だったのですが、奇跡的に時間ぴったりに進める事ができました。
参加者の大半の参加者が中学生だったにもかかわらず話し合いやロールプレイも盛り上がり、どんどん意見も出てきていました。

ロールプレイは盛り上がりました
生徒を連れて来てくれた中学校の先生からも、以下のようなうれしいコメントをいただきました。
「生徒たちが、ロールプレイの際には一生懸命役になりきろうとして発言していたのが見ていてとーっても嬉しかったです。DEARのワークショップの力ですね!」

最初は本当に本番ちゃんとできるのだろうか、というような心配な状態だったのですが...、DEARの方々にたくさんアドバイスをもらい、協力していただいて本番無事に終えることができました。
正直なところ、緊張でよく覚えていない部分もあるのですが、やはり、上手く言葉が出てこなかったり、意見を引き出せなかったり、反省点がたくさん。ファシリテーターって難しいです。

それでも、上記のような嬉しいメールが届いたり、参加してくれた友達が開発教育に興味を持ってくれたりとうれしい声がきけて、もっと精進していこうと思いました。
当日参加して下さった皆さん、本当にありがとうございました。
(時里萩子)

2013年8月5日月曜日

夏休み!親子で「世界がもし100人の村だったら」ワークショップ

8月4日(日)午後、三菱商事社のCSRスペース「MC FOREST」で開催された夏休み特別授業で「世界がもし100人の村だったら」のワークショップを開催しました。


 一般公募の小学校2年生~6年生と、その保護者の方、30名が参加。子どもたちを連れて参加してくださったDEARの会員の方もいらっしゃいました。

はじめは、初対面の子どもたちだけで大丈夫かな?と心配していましたが、初めのアイスブレーキングのゲーム(地球回しゲーム)から、子どもたちは元気いっぱい!すぐに打ち解けて、最後まで、みんな積極的に参加してくれました。
大陸に分かれて座っているところ
大陸に分かれるシミュレーションでは「アジア大陸」にぎっしり座った子たちから「狭いよー」「食べ物が足りなくなっちゃう」といった意見が出ました。また、いろいろな言語であいさつをするシミュレーションの後に、「日本には“日本語”以外の言葉があるかな?」と聞くと「アイヌ語!」という意見も出て、びっくり。

クッキーの枚数で「富の分配」をシミュレーション
最後に「100人村」のメッセージを読み、感想を共有する場面でも、感じたこと・考えたことをたくさん発表してくれました。保護者の大人たちの「仕方がない」「複雑」という意見に比べ、子どもたちからは「おどろいた」や「おもしろい」「もっと知りたい」といった意見が多いのが印象的でした。

子どもの感想より
  • 世界のみんなは、まだ、公平ではないのに、先進国などの国だけが豊かなくらしをしているのは不公平だと思った。できることならば、自分に利益がなくても少しでもいろんな人を助けたいと思った。
  • このお話はとてもいいお話で、かなしいお話だと思いました。でも、そのことについてもっと知りたいと思いました。さっきのクッキーのはなしでは、食べられてうれしかったです。
  • もっと知りたいのは、色々な国のことを知りたいです。わたしの知らないことがたくさんあったので複雑な気持ちです。
保護者の感想より
  • 日本の豊かさをビスケットで表現するところがとても分かりやすく、今後、考えるきっかけになりました。今後もいろいろな場面で、開発教育を広げることの重要さを強く感じました。
  • 多様さを受け入れることはできている、理解しているつもりだったが、それは富める国でそこそこの生活ができている上での思いあがった勘違いだったかもしれないと感じました。一人でなにかできるわけではないけれど、日々心に留め置き、よい世界へと少しでもなっていけばいいなと思う。
みんなで感想を共有しました
親子で同じ体験をすると、家に帰ってからも、のちのちになっても、思い出したり話ができていいなと思います。参加者の皆さま、機会をつくってくださったMC FORESTスタッフの皆さま、どうもありがとうございました。
(八木)

2013年7月17日水曜日

模擬選挙に行ってきました

7月21日に行われる参院選に向けて行われる学校模擬選挙を見学させていただきました。見学させていただいたのは都内にある都立戸山高等学校です。戸山高校では1989年から模擬選挙が開始され、今も多くの生徒が自発的に投票に訪れているそうです。

生徒たちは投票時間である11時半から投票箱が設置された教室に出向き比例代表、選挙区両方に投票していました。教室の中には選挙当日に使用される投票箱や記帳台が設置されており、教職員や選挙管理委員会の方が見守るなか生徒は慎重に選んでいる様子が見られました。


投票箱や記帳台は選管から借りた「本物」
教室の外には下の写真のように投票の流れが分かりやすく表示されており、生徒たちは緊張感を持ちながら投票用紙を記入し、投票箱に向かっていきます。

また、マニフェストやポスターも教室の前に設置してあり、そこで閲覧できるように工夫されていました。



学校全体の投票率は5、6割と有権者である2、30代の約2倍程だそうです。投票直後の生徒に投票した感想や何を基準に投票したのか聞いてみたところ様々な感想をもらうことができました。

生徒の感想
  • 思ったより重々しい雰囲気だった。
  • 自分たちの意見で政党が決まるので緊張した。
  • 政策をより具体的に分かりやすくかいている政党を選んだ。
  • 子どもの権利についてかいている政党を選んだ。
  • 憲法第9条の改正について明記しているかどうかを注意してマニフェストを読んだ。
  • 自分たちの考えなので友達にはどこの政党に入れたか話さない。
  • 原発問題を中心に選んだ。
  • 安心感があるので有名人がいる政党に投票した。
  • 投票する前に事前に選挙ポスターを読んだり、ニュースを見たりした。
中には、日常で友達と政治の話をしている生徒や、選挙権がでてからもできるだけ投票しにいきたいと答えてくれる生徒もいました。模擬選挙をするにあたって政策比較などを事前授業で行う学校もありますが、戸山高校では特にそのような事前授業なく生徒たちへの告知のみで留まっているそうです。それでも生徒たちの意見からは政治への関心があるように見受けられました。
(前田理恵/インターン)

2013年7月4日木曜日

広島で「もっと話そう!エネルギーと原発のこと」ワークショップ


6月22日、広島で活動する地球市民共育塾ひろしま主催で、教材「もっと話そう!エネルギーと原発のこと」を使用してワークショップを行いました。


これは、エネルギー政策や原発の賛否を問うよりも前に、一人ひとりが未来の社会をつくる当事者として、まずは知ること、そして、安心して話し合う場をつくることを目的として全国7か所で実施しているワークショップの一環です。

他会場での実践の様子はこちらから↓
http://www.dear.or.jp/book/book01_energy16.html

開催前には、一時期参加申込みが3名(!)と開催が危ぶまれたこともありましたが、主催のみなさんの努力がみのり、当日は総勢25名程度の参加者が集まりました。その顔ぶれも、高校生や大学生、教員、NPO・NGOスタッフ、会社員や団体等にお勤めの方など、年齢も経験も幅広い方々と出会え、多様な視点から話し合う機会となりました。

ワークショップではアイスブレーキングをした後、「賛否両論あるテーマについて話やすい場とするためのルール」を、皆さんに考えていただきました。

アイスブレーキングでは「マイクロラボ」の手法を活用

ルールを作って、いつでも見えるように白板に貼りました
そしてエネルギーと原発に関する写真を見た後、福島の原発事故後に毎日小学生新聞へ送られた投書を読み話し合う、「ゆうだいくんの手紙」のアクティビティを行いました。これは、原発やエネルギーに関連する話題について、自分と他者の思いを話し共有することがねらいです。

ゆうだいくんの投書自体は原発事故を契機に送られたものですが、その内容は、原発や電気のことにとどまらず、私たちのライフスタイル、メディアリテラシー、責任や民主主義のありかたなど、さまざまな点にもふれられていて、意見交換の内容が、参加者の興味関心に応じて多方面に展開していきます。

「ゆうだいくんの手紙」を実施して出された意見
ワークショップの後半は、核燃料の来し方・行く末を追った後、原発立地計画のある地域で住民にインタビューをするという設定のアクティビティ、「仮想インタビュー・原発」を行ないました。
地元住民の声として設定された、原発建設に賛成・反対の意見と、賛否どちらでもない意見のそれぞれを分析・整理し、気づいたことなどを話し合いました。

【出された意見より】
  • 賛成意見と反対意見が、なかなか交わらない印象がある。
  • 原発建設への賛否より、生活の便利さを求める声やメディアの影響が強い。
  • 「都市」と「田舎」の差を利用して建設されている。
  • 個人の意見というより、立場や職業からの意見が多い。
  • 人の目が気になって自分の意見が言いづらい。
  • 結局はエネルギーや電気でなくお金の話ばかり。
一通り共有したあと、「この立地計画を進めるかどうかの決定に、最も大きな影響を与える人と、最も影響を与えない人」を、グループごとに考えてもらいました。
「知事等の首長」という意見もあれば、「ここには登場しないゼネコンの社長」、「地元の住民は影響力がない」という意見、「住民投票等を考えると、賛否どちらでもないという人々が、結局もっとも影響力があるのでは」などの意見も出されました。

「仮想インタビュー、原発」の作業中」
終了時には参加者から主催者に「ぜひ第2回をやってほしい」という声も上がっており、自分の意見を持っている人にも、または悩んでいる人にも、さまざまな意見を聞き話す場、日ごろもやもやしていることを安心して話せる場が必要とされていることが感じられました。

私たちがこの教材を作成したきっかけのひとつは、原発事故が発生してしばらくして、こうしたテーマについて口にしづらい雰囲気があったことです。ワークショップの広がりとしてはまだまだですが、黙ってただ現状に甘んじるにとどまらず、よりよい未来を主体的に作っていく土台として、こうした場づくりに引き続き取り組んでいきたいと思いました。

【参加者の感想から】
  • 先入観や主観的な考えがあることに気づけた。
  • (もっとも印象的だったことは…)理想(理論的にできること)と現実(実際にできていないこと)がごちゃ混ぜになっている状況。
  • 原発について、知っているようで知らないことが、多いと感じました。
  • 子どもたち(これから意思決定していかなければならない人)の意見を聞いたり話し合ってみたい。
  • 原発の問題はいろんな角度からみないといけないと分かりました。
  • 福島県南相馬市に行っても思ったことですが、やはり、いろいろな立場の人々が冷静に議論できる環境を作る必要があると思いました。今回のようなワークショップはとても役立つと思います。
  • 地域で少しずつワークショップなど実践していきたいと思います。
(西)