2013年7月17日水曜日

模擬選挙に行ってきました

7月21日に行われる参院選に向けて行われる学校模擬選挙を見学させていただきました。見学させていただいたのは都内にある都立戸山高等学校です。戸山高校では1989年から模擬選挙が開始され、今も多くの生徒が自発的に投票に訪れているそうです。

生徒たちは投票時間である11時半から投票箱が設置された教室に出向き比例代表、選挙区両方に投票していました。教室の中には選挙当日に使用される投票箱や記帳台が設置されており、教職員や選挙管理委員会の方が見守るなか生徒は慎重に選んでいる様子が見られました。


投票箱や記帳台は選管から借りた「本物」
教室の外には下の写真のように投票の流れが分かりやすく表示されており、生徒たちは緊張感を持ちながら投票用紙を記入し、投票箱に向かっていきます。

また、マニフェストやポスターも教室の前に設置してあり、そこで閲覧できるように工夫されていました。



学校全体の投票率は5、6割と有権者である2、30代の約2倍程だそうです。投票直後の生徒に投票した感想や何を基準に投票したのか聞いてみたところ様々な感想をもらうことができました。

生徒の感想
  • 思ったより重々しい雰囲気だった。
  • 自分たちの意見で政党が決まるので緊張した。
  • 政策をより具体的に分かりやすくかいている政党を選んだ。
  • 子どもの権利についてかいている政党を選んだ。
  • 憲法第9条の改正について明記しているかどうかを注意してマニフェストを読んだ。
  • 自分たちの考えなので友達にはどこの政党に入れたか話さない。
  • 原発問題を中心に選んだ。
  • 安心感があるので有名人がいる政党に投票した。
  • 投票する前に事前に選挙ポスターを読んだり、ニュースを見たりした。
中には、日常で友達と政治の話をしている生徒や、選挙権がでてからもできるだけ投票しにいきたいと答えてくれる生徒もいました。模擬選挙をするにあたって政策比較などを事前授業で行う学校もありますが、戸山高校では特にそのような事前授業なく生徒たちへの告知のみで留まっているそうです。それでも生徒たちの意見からは政治への関心があるように見受けられました。
(前田理恵/インターン)

2013年7月4日木曜日

広島で「もっと話そう!エネルギーと原発のこと」ワークショップ


6月22日、広島で活動する地球市民共育塾ひろしま主催で、教材「もっと話そう!エネルギーと原発のこと」を使用してワークショップを行いました。


これは、エネルギー政策や原発の賛否を問うよりも前に、一人ひとりが未来の社会をつくる当事者として、まずは知ること、そして、安心して話し合う場をつくることを目的として全国7か所で実施しているワークショップの一環です。

他会場での実践の様子はこちらから↓
http://www.dear.or.jp/book/book01_energy16.html

開催前には、一時期参加申込みが3名(!)と開催が危ぶまれたこともありましたが、主催のみなさんの努力がみのり、当日は総勢25名程度の参加者が集まりました。その顔ぶれも、高校生や大学生、教員、NPO・NGOスタッフ、会社員や団体等にお勤めの方など、年齢も経験も幅広い方々と出会え、多様な視点から話し合う機会となりました。

ワークショップではアイスブレーキングをした後、「賛否両論あるテーマについて話やすい場とするためのルール」を、皆さんに考えていただきました。

アイスブレーキングでは「マイクロラボ」の手法を活用

ルールを作って、いつでも見えるように白板に貼りました
そしてエネルギーと原発に関する写真を見た後、福島の原発事故後に毎日小学生新聞へ送られた投書を読み話し合う、「ゆうだいくんの手紙」のアクティビティを行いました。これは、原発やエネルギーに関連する話題について、自分と他者の思いを話し共有することがねらいです。

ゆうだいくんの投書自体は原発事故を契機に送られたものですが、その内容は、原発や電気のことにとどまらず、私たちのライフスタイル、メディアリテラシー、責任や民主主義のありかたなど、さまざまな点にもふれられていて、意見交換の内容が、参加者の興味関心に応じて多方面に展開していきます。

「ゆうだいくんの手紙」を実施して出された意見
ワークショップの後半は、核燃料の来し方・行く末を追った後、原発立地計画のある地域で住民にインタビューをするという設定のアクティビティ、「仮想インタビュー・原発」を行ないました。
地元住民の声として設定された、原発建設に賛成・反対の意見と、賛否どちらでもない意見のそれぞれを分析・整理し、気づいたことなどを話し合いました。

【出された意見より】
  • 賛成意見と反対意見が、なかなか交わらない印象がある。
  • 原発建設への賛否より、生活の便利さを求める声やメディアの影響が強い。
  • 「都市」と「田舎」の差を利用して建設されている。
  • 個人の意見というより、立場や職業からの意見が多い。
  • 人の目が気になって自分の意見が言いづらい。
  • 結局はエネルギーや電気でなくお金の話ばかり。
一通り共有したあと、「この立地計画を進めるかどうかの決定に、最も大きな影響を与える人と、最も影響を与えない人」を、グループごとに考えてもらいました。
「知事等の首長」という意見もあれば、「ここには登場しないゼネコンの社長」、「地元の住民は影響力がない」という意見、「住民投票等を考えると、賛否どちらでもないという人々が、結局もっとも影響力があるのでは」などの意見も出されました。

「仮想インタビュー、原発」の作業中」
終了時には参加者から主催者に「ぜひ第2回をやってほしい」という声も上がっており、自分の意見を持っている人にも、または悩んでいる人にも、さまざまな意見を聞き話す場、日ごろもやもやしていることを安心して話せる場が必要とされていることが感じられました。

私たちがこの教材を作成したきっかけのひとつは、原発事故が発生してしばらくして、こうしたテーマについて口にしづらい雰囲気があったことです。ワークショップの広がりとしてはまだまだですが、黙ってただ現状に甘んじるにとどまらず、よりよい未来を主体的に作っていく土台として、こうした場づくりに引き続き取り組んでいきたいと思いました。

【参加者の感想から】
  • 先入観や主観的な考えがあることに気づけた。
  • (もっとも印象的だったことは…)理想(理論的にできること)と現実(実際にできていないこと)がごちゃ混ぜになっている状況。
  • 原発について、知っているようで知らないことが、多いと感じました。
  • 子どもたち(これから意思決定していかなければならない人)の意見を聞いたり話し合ってみたい。
  • 原発の問題はいろんな角度からみないといけないと分かりました。
  • 福島県南相馬市に行っても思ったことですが、やはり、いろいろな立場の人々が冷静に議論できる環境を作る必要があると思いました。今回のようなワークショップはとても役立つと思います。
  • 地域で少しずつワークショップなど実践していきたいと思います。
(西)