2014年2月28日金曜日

『国際理解教育指導者セミナー』in長野県松本市


1月18日(土)、JICA駒ケ根が主催する国際理解教育指導者セミナーにて、西さんが講師を勤めました。今回は、アシスタントとして行かせて頂いたボランティアスタッフの星がセミナーについて書かせて頂きます。

7時ちょうどの~あずさ1号で~♪
新宿駅から松本まで2時間40分、車窓からの景色がだんだんと太陽に反射した雪がキラキラする風景に変わってきました。長野は寒いだろうということで厚着をして行きましたが、皆さん薄着!なるほど、室内は暖かいんですね。「山にでも行くの?」と私のスノーブーツ+セーターを指摘されてしまいました。笑

セミナーは2日間に分けて行われ、今回は第二回目でした。
指導者セミナーということもあり、19名の参加者の多くが教員でしたが、観光や多文化共生に関わっている方もいました。

さて、10時~プログラムがスタート。
前回のふり返りをする前に、まずはアイスブレイク!
紙に「私は・・・」と続く自分に関することを3つ書いてもらいました。ただし、その内の1つは嘘を書きます。ペアで自己紹介して、相手の嘘を見抜き合います。
皆さん、う~ん・・・と頭を悩ませていました。ちょっと難しいアイスブレイキングの方が、楽しめるのかもしれませんね。

面白かったものをご紹介。
「私は丸一日電車に乗っていたことがある。」
「私は無人島で生活したことがある。」
「私は世界一周したことがある。」

どれも信じ難い!ですが、嘘は一つだけです。
皆さんとっても楽しんでいました。こんな自己紹介だったら、合コンも盛り上がる?!

場が和んだところで、前回のふり返りを行いました。
国際理解教育の参加型学習には何が大切か、という問いに対して、「楽しさ」がキーワードとして出ていました。では学習において「楽しい時」はどのような時でしょう?
その質問に対して、

・共感してもらえる
・“わかった!”と感じる
・発見がある
・主体的
・話しやすい環境

などの意見が出ました。
参加型学習にはこういった楽しさが必要であると、皆さん感じているんですね!

前回、3人の方に立候補していただき参加型の学習プログラムを考えてきてもらっていたので、この日は実際に、この3名の方にファシリテーターとして実践してもらいました。

1人目は各国のお正月の様子を写真と文章のパズル形式で学習するプログラム。
2人目は電気に必要な電池や導線のそれぞれの関係性を知る理科の授業。
3人目は異文化コミュニケーションについて考える、市民向けのワーク。
このとき、他の参加者のみなさんには、実践者の方が想定する参加者や生徒になったつもりで参加してもらいます。
実は数人の方に“トリック参加者”になってもらい、わざとネガティブな発言をしたり、ワークに消極的な態度を取ってもらいました。
もちろん、ファシリテーター役の方には内緒です。

例えば「タイのお正月は水をかけ合ったりするの?きたな~い」という発言に対して、ファシリテーターとしてどう反応したらいいでしょうか?
「そうだね、汚いね」とは言えないですよね?


実践後、皆さんでトリック参加者の発言や行動への対処方法を考えたり、学習のねらいは何だったのか、それぞれのプログラムやファシリテーションの良かった点などについて意見を出し合いました。

参加者の皆さんの言葉から、国際理解教育のファシリテーターにとって必要なポイントが、だんだんと見えてきているのだな、と感じました。

その後はグループで学習プログラムづくりのポイントと疑問を話し合い、全体で共有しました。


国際理解教育を実践するにあたって、教室で、または様々な現場で、二日間で得た学習プログラム案や手法、ファシリテーターの留意点が活かされていくのでしょう!

最後に参加者一人ひとり、ふり返りとして「大切にしたいこと」、「次の一歩」を書き、大きな輪を作って「次の一歩」を共有しました。


皆さんの大きな一歩、期待しています!

DEARの教材も手に取っていただきました。
数日前に改訂版が発行された『世界がもし100人の村だったら 第四版』も大好評、完売になりました!参加者の皆さんのそれぞれの現場で使っていただけることを願っています。

後日頂いた感想を少し、ご紹介↓


  • 授業に生かせる内容だったし、自分自身こんなことができるんじゃないか、こんなこともやってみたい、と考えることができた。
  • 実践の見通しが持てた素晴らしい機会だった。
  • 参加同士で話せる時間が多く、悩みに多く答えてもらいありがたかった。
  • 自分なりの実践方法を見つけることができた。
  • 社会や人と関わりの少ない生徒達に人権、環境、飢餓などのglobalな課題や物や人がつながっていることなどを学べる参加型学習を展開していきたい。
  • 進路指導にいかしたい。世界の中で働くこと、日本人以外の人と働くこと(例え、日本であっても)
  • 帰って生徒にアウトプットしたい。

皆さんの経験豊富な意見やアイディアを聞けて、とっても参考になりました!
国際理解教育としての参加型学習がどんどん教育の場で取り入れられていくといいですね。
松本、また来ます!
(星)

※講師派遣プログラムについてはこちら

2014年2月21日金曜日

定時制高校で貿易ゲームをしました

こんにちは。インターンの星久美子です。先月から講師派遣のお手伝いをする機会がありましたので、順次ご報告いたします。

まずは、2月19日(水)に都立小山台高等学校の定時制課程に行ってきました。

「多様な生徒が共に生きていくために…多文化共生の学校づくり」を目指す小山台高校が「ふれあいスクール」と題して、人権や福祉、地域、多文化などのテーマで様々な講演や授業を公開しました。その一授業をDEARが受け持たせていただきました。

目黒線小山台駅の階段を上るとすぐに校舎が見えます。
校庭を照らす照明が眩しい!
今回は2年生、約40人に貿易ゲームを体験してもらいました。
生徒たちはどんな反応をするのか、果たして楽しんでくれるか?不安な中で授業がスタート。

7グループに分かれて、まずはアイスブレーキング。
紙にあいうえお順にグループのメンバーの名前を書きます。よーいドン!
次は、知っている国の名前を書き出す。よーいドン!
どちらも予想意外の盛り上がりで、各グループは必至に紙いっぱいに書き込んでいました。
国の名前をよく知っている生徒がいて、なんと69ヶ国!
生徒の知られざる特技に、先生も驚いていました。

さて、貿易ゲームを始めましょう!ルール説明をし、資源(紙)や鉛筆、ハサミなどが入った封筒を各グループに配ります。各グループは円や分度器などの形を作り、製品としてマーケットに売りにいきます。

実は、グループによって紙の枚数やお金の額は初めから異なります。更に、道具も同じ状態のものではなく、折れた鉛筆やくしゃくしゃの紙、片方の取っ手が無いハサミなどが入っていて、製品作りに有利なグループもあれば、不利なグループもあります。


製品をつくり、マーケットに売りに行きます
しかし、グループに予め配られた紙や道具では製品作りが上手くいきません。マーケットに売りに行っても、規格通りの製品でないと買い取ってくれません。

生徒たちは考えます。
どうしたら製品を売ることができるか?


他のグループから道具を借りに行く人、物々交換をするために交渉に行く人、国連にハサミを借りに頼みに行って断られる人、こっそり分度器を隣りのグループから取ってくる生徒(盗みはルール違反です!)などなど、教室という“世界”の中では、様々な事が起こっていました!


「青い紙で作る製品は高値で売れる」、「シールを製品に貼ると価格が30倍になる」などの情報を持っているグループは、教室内を探し回ります。他のグループが持っていることを知ると買い取る交渉をしますが、青い紙やシールの意味は伝えません。


また、どんどん交渉に行く人、壊れたハサミで何とか製品を作ろうとする人、「もうダメだ」と製品作りを諦めてしまう人など、見ていると様々な行動が伺えます。現実の世界でも同じようなことが起こっているということに、だんだん気付いてきたようです。

その後も、資源が配られたり、製品の規格が新しくなり買い取り価格が大幅に下がったり、NGOが現れて大変そうなグループにそのグループの文化を象徴するような製品を作らせて買い取ったり、色々なことが起き、40分ほど経ったところでゲームは終了。

売り上げ集計の結果は?
製品作りからでたゴミに税金をかけ、その分を引いた合計金額を比較します。慌ててゴミを隠す生徒もいました。各グループの代表者に感想と封筒に入っていた道具を紹介してもらいました。
「シールの意味、なんで教えてくれなったの?」
「いじわるだったし、ズルかった!くやしい!」
「このまま続けたらケンカになる」
格差もどんどん広がっていく、戦争が起きるかもしれない、そんなことをゲーム体験から想像してもらえたと思います。 
グループの感想
休憩後には「地球の食卓」から、トルコ、ブータン、エクアドル、中国の写真から気付いたことを書きだしてもらうワークをしました。

中国から来た生徒さんが数人いて、「これは中国だ!」とすぐに当ててくれました。日本とアメリカの写真とも比較し、気付いたことを話し合ってもらいました。ふりかえりシートからの感想を紹介します。

貿易ゲーム
  • ゲームと思っていたことが現実でもあり、行われている。
  • 役割を分担してお金を集めたのが楽しかった。
  • 実際、情報は大切だと思った。
  • 普通に話を聞くよりおもしろかった。
  • つかわなかった資源の使い道は?(現実だったらの話で)
  • 貧しいところもあるがその地のほこれるものがある。
地球の食卓
  • 笑顔がすてきな国は、幸せな国だと思う。
  • 国によって、食べ物とかふんいきとか、全然ちがう。
  • 写真だけじゃ、どこの国かはよく分からない。
体験して学ぶ「貿易ゲーム」を楽しんでくれたようですね!グループ内で協力してワークを進めることができたので、生徒同士の仲もより縮まったのではないでしょうか?また、「地球の食卓」の写真も印象に残ったようです。「もっと知りたい!」という声も多かったので、今後も生徒が主体となる体験型の授業から学ぶという機会があるといいな、そんな気持ちになりました。ファシリテーターである私たちも、彼らの取り組みから学ぶことがとても多いということも感じました。

私個人のふりかえりとしては、
最貧のグループがシールを売ってようやく得たお金を他のグループへ寄付して回り、その後その生徒はグループから島流しにされることが話し合われました!寄付した理由を問うと「一番いいお金の使い道だから」とのこと。という前代未聞の行動がとても印象に残りました
担当の先生からも、ワークショップを行うと、生徒が普段とはまったく違う一面見せてくれるので、楽しいです、というコメントをいただきました。

皆さんも是非、貿易ゲームを試してみてださい!
参加しても良し、傍観しても良し、ファシリテートしても良しですよ!
もちろん、講師派遣の申し込みも!
(申込フォーム http://www.dear.or.jp/facilitator/order.html

(星久美子)