2014年10月31日金曜日

「持続可能な開発のための教育(ESD)政策への市民参加に関する提言」への賛同募集



※第1次募集は終了しました。たくさんの賛同・お問合せをありがとうございます。提言文および賛同団体一覧はこちらに掲載しています。(11月7日)

平素よりDEARの活動にご支援・ご協力をいただきまして、誠にありがとうございます。

このたび、(特活)開発教育協会、(公財)公害地域再生センター(あおぞら財団)、(特活)さっぽろ自由学校「遊」は、ESDに関連する政策への市民参加に関する提言をまとめました。

今年で「持続可能な開発のための教育の10年」(ESDの10年)が終了するのを受け、「ESDユネスコ世界会議」(11月10日~12日)が開催されます。同会議でユネスコはグローバル・アクション・プログラム(以下、GAP)を提示し、「ESDの10年」以降のESDの方向性が示されます。また国内においても「ESDユネスコ世界会議フォローアップ会合」(11月13日)をはじめ、今後、ESDの推進方策が議論される見込みです。

「ESDの10年」の間、ESDに関連する政策について広く市民社会が政府と対話する機会は、非常に限られていました。今後は、ESDの実践主体である市民社会が、その政策プロセスへ参加する機会が確保されることが必要であると考えます。

つきましては、本提言への賛同団体を、以下の通り募集いたします。さまざまな分野で教育活動に関わる市民団体のみなさまと一緒に、ESDに関する政策プロセスを作っていきたいと思っております。分野を問わず多くの団体にご賛同頂けますよう、何卒よろしくお願い申しあげます。

なお、本提言書は11月13日(木)開催の「ESDユネスコ世界会議フォローアップ会合」に提出いたします。

【賛同方法】
ご賛同いただける団体は、以下の必要事項をお書きの上、開発教育協会政策提言担当<advocacy@dear.or.jp>宛にメールをお送りください。

・件名:賛同(ESD政策への市民参加に関する提言)
・本文:
(1)本部を置く都道府県名:
(2)法人格(あれば)・団体名:
(3)連絡担当者名(よみがな):
(4)連絡担当者メールアドレス:
(5)英語の団体名:
(6)コメント(あれば):

【第一次賛同締切】
2014年11月7日(金)午後5:00(以降、引き続き第二次賛同を募集します)

【問い合わせ先】
特定非営利活動法人 開発教育協会 (担当:中村・西)
Tel:03-5844-3630
Fax:03-3818-5940
e-mail:advocacy@dear.or.jp
URL:http://www.dear.or.jp

(以下、提言本文)

持続可能な開発のための教育(ESD)政策への市民参加に関する提言
2014年10月31日

「持続可能な開発のための教育の10年」(以下「ESDの10年」)が2014年に終了し、今後、国内における2015年以降のESDの推進方策が議論されます。

持続可能な開発とESDは、日本も含む世界の全ての市民にかかわる重要課題です。ユネスコによるグローバル・アクション・プログラム(GAP)に「適切で一貫性のある政策は、参加型のプロセスに基づき、省庁間及び部門間で調整し、市民社会、民間セクター、学術界および地域コミュニティと連携して作成されるべき」とあるように、市民が重要課題であるESDの政策決定プロセスに参加することが必要不可欠とされています。今後ESDに関わるあらゆる政策決定は、市民参加のもと、できる限り透明で民主的なプロセスで行われる必要があります。

日本におけるESDは、全国各地の人権、環境、福祉、平和、開発等の教育分野に関わる市民社会組織により、「ESDの10年」が始まるよりも以前から取り組まれてきました。「ESDの10年」の期間中も、市民社会組織による長年の実践と研究の蓄積が牽引力となり、各地域でESDが具体的成果を伴い実施されてきました。しかしながら、政府と市民社会との対話や協議がごく一部に限定されていたことなどにより、市民社会の持つ知見や経験が政策に適切に活かされてこなかったのが現実です。

「ESDの10年」の間、ESDの政策と実践が適切にリンクしていなかったという事実は、世界的に見ても残された課題としてユネスコにより挙げられています。その意味でも、2015年以降は市民社会と政府との有機的な連携が強く求められます。

以上の観点から、わたしたちはESDに取り組む市民社会として、ESDに関連する政策プロセスへの市民参加について、以下の提言を行います。

(1)市民社会と政府による透明で民主的な政策協議会の設置

政府と市民社会の双方がよりよいESDのあり方を共に考え連携を強化するとともに、政策のアカウンタビリティを高めることを目的とした政策協議会の設置が必要です。同協議会は継続的かつ建設的な政策対話の場とし、運営に政府も市民社会も共同で責任を持ち、そのプロセスは民主的かつ公開を前提とし、特定の選ばれた人々ではなく社会的マイノリティも含むすべての市民が対話と協議に参加できることが不可欠です。

(2)地域コミュニティにおける市民参加の促進

「地域」はESDと持続可能な開発の実践主体であるべきです。地域のESDが各地域の状況に見合った多様なあり方で実施でき、そこに市民一人一人が参加できるような仕組みを各地域で実現することが必要です。また、政府にも地域のそうした取り組みを積極的に奨励および支援することが求められます。たとえば、1992年の国連環境開発会議(地球サミット)を契機に日本でも広がった「ローカルアジェンダ21」のような仕組みを、ESDに関して実現することが重要です。
以上

発起人団体:
特定非営利活動法人 開発教育協会
公益財団法人 公害地域再生センター(あおぞら財団)
特定非営利活動法人 さっぽろ自由学校「遊」

賛同団体:
(集約中)

2014年10月24日金曜日

フードロスのしくみを学ぶワークショップ in 岡山②

「フードロスのしくみを子どもたちと学ぶワークショップ講師養成講座」の後半は、DEARの教材『写真で学ぼう!地球の食卓』から、4枚の写真をつかってのワークショップ。日本の食卓の特徴をつかみ、フードロスが出るしくみと減らすためにどんなことができるのかを考えます。
4か国・4家族の写真を見比べてみると‥
3つのグループに分かれ、それぞれのグループに1枚ずつ異なる写真を配り、食卓の特徴・主食・どうやって調達している・気が付いたことなどを話し合いました。写真は、エイメさん(エクアドル)、メランダさん(ドイツ)、チェリクさん(ドイツ)の3家族のものを使いました。


それぞれのグループで話し合ったことを発表した後、各グループに3枚の写真に加え、ウキタさん(日本)の食卓の写真も配りました。そして、「日本の食卓の特徴、気が付いたこと」を話し合ってもらいます。他国の食卓と比べてみると、とてもたくさんの意見が出ました。みんな、頷きながら発表を聞いていました。
  • 包装(パッケージ)が多い/みんなパッケージされている→ごみが多そう
  • 魚が多い
  • 調味料がたくさんある
  • 野菜が意外に少ない
  • 季節が分からない→輸入しているから/ビニールハウスで栽培している
  • 食材の種類が多い
  • 加工品が多い
  • 自給してなさそう→みんなスーパーで買える
  • 冷凍食品がある
  • 食材の種類が多く豊か
そのあと、以下の3つの視点から4枚の写真を並べ替え(ランキング)してみました。
  1. ゴミがたくさん出そうな順番
  2. 健康だな、ヘルシーだなと思う順番
  3. フードロスがたくさん出そうな順番
前半で、「もったいない鬼ごっこ」を体験していたので、ゴミやフードロスは、生産・加工・流通・消費のそれぞれのプロセスで出ることを学んだ皆さん。加工食品や冷凍食品を多く消費している日本の食卓からは、たくさんのパッケージごみに加え、フードロスが出そうだということが見えてきます。
日本の食卓の特徴は‥
最後に、グループの中でひとりずつ「フードロスを減らすためにできること」を話し合いました。また、主催の「フードバンク岡山」の三田さんから、フードロスを減らすひとつの方法としてのフードバンクの役割について、ご紹介いただきました。フードバンクには、生産者や加工業者さん、生協など流通業者さん、個人の家庭からも、まだ食べられる食品が寄付され、「食」を必要としている人に届けられています。
(八木)

2014年10月22日水曜日

フードロスのしくみを学ぶワークショップ in 岡山①

10月17日(金)、岡山で「フードロスのしくみを子どもたちと学ぶワークショップ講師養成講座」を実施しました。主催はNPO法人フードバンク岡山、ファシリテーターをDEARスタッフの八木が担当しました。

「フードロス」とは、「まだ食べられるのに捨てられてしまう食べ物」のこと。世界では、生産された食べ物のうち約3分の1が捨てられているともいわれています。この「フードロス」の問題について、子どもたちとともに考えるワークショップを実施する講師を養成する、というのが講座の目的でした。

学童保育指導員や公民館職員の方、食品会社の方、会社員、お百姓さん、児童養護施設のスタッフや国際協力団体の方など、多様な約20名の参加者で2時間半のワークショップを実施しました。

形の違う2種類のニンジンさん。その後の運命が変わってきます‥
前半は、「もったいない鬼ごっこ」という、ハンガー・フリー・ワールドさんが作成したての教材をつかって、ワークショップを体験。参加者は、ニンジンや大豆、アジ、鶏などの食材になり、「生産」→「加工」→「流通」→「消費」→「おいしく食べられる」まで、捨てられないように逃げる!というもの。

捨てられて「フードロス鬼」になってしまった食材・食品の皆さん
それぞれのプロセスで「形が悪いから」「箱がつぶれたから」「消費期限が近いjから」など、さまざまな理由でフードロスが出ることがよく分かります。小学生から大人まで、楽しく参加することができます。

3人一組でふり返りをしているところ。みんな、食材になりきったままです。
終了後は、3人一組になって、「1.体験してみてどうだったか」「2.子どもたちを対象とした時に工夫したいこと」の2点を話し合ってもらい、全体に発表しました。さすが、普段から子どもに関わっているみなさん!参考になる意見や視点がたくさん出てきました。
  • 鬼ごっこが楽しくて夢中になってしまうので、1回ごとに食材・食品カードの内容を全員で見まわして確認する時間をじっくりとりたい。
  • 鬼ごっこをやるグループと、それを外から見て観察するグループに分かれてもよいかも。何が起こったのか、食材になった人がどう行動したのかを、後で共有するといい。
  • 捨てられた食べものたちに「何になりたかったのか」を語ってもらうとよいのでは。ニンジンの気持ちや、豆腐の気持ちになってみる
  • パッケージにプリントミスがあると捨てられてしまう‥というのは、消費者の側の意識の問題もあると思った。選ぶ基準を考え直すきっかけになるかも。
  • 人の手で1枚1枚パッケージしていれば、プリントミスは起こらないし、気が付くはず。製造が工場でライン化されているからこそ、フードロスが出てしまう。そういうことにも気付くきっかけになる。
  • 「形のよいニンジンも、悪いニンジンも、どちらもおいしく食べられる」のだけれど、子どもたちは畑でニンジンを見たことがないから、どんなものか分からない。生産の現場や体験とリンクしたり、実際に食べ比べをしてみたら、もっと学びが広がりそう。
  • 子どもたちは食卓にのぼった食べ物、加工されたものしか知らない。生産や加工のしくみを知ること、体験の裏付けがあると、さらに深まる
  • 子どもが好きな、チョコレートやパン、おせんべいなどの「おやつ」で応用すると、もっと楽しく、関心を持って参加するかもしれない。
  • 日本の食料自給率が約40%であることを考えれば、食材・食品とともに、大量のエネルギーを輸入して捨てていることになる。鶏肉だったら、国産と輸入と比べて考えてみてもよいのでは。

今回は、食品会社の方が参加していたので、原料から加工する時にどのくらい野菜が廃棄されているのか、また、賞味期限の短い加工品は廃棄せざると得ない場合もあることなどを、聞くことができました。また、お百姓さんからも、収穫量が多すぎた野菜や、規格外の形やサイズの野菜を処分することがある、といったお話がありました。

消費だけをしていると、お店に並ぶ前にどれだけフードロスが出ているのか、なかなか気が付くことができないものです。鬼ごっこ&参加者の皆さんの発言で、より一層フードロスへの理解を深めることができました。

後半は、『写真で学ぼう!地球の食卓』を使ってワークショップをやりました。続きはまた次回‥。
(八木)

2014年10月2日木曜日

援助する前に考えよう@順天高校

スタッフの星です。先日、スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校である順天高校で行ったワークショップの様子をレポートします。

教材『援助する前に考えよう』より
旅先のタイでこんな看板を見たら、あなたはいくら寄付しますか?
順天高校の生徒さんたちに聞いてみました。
一人ひとり寄付額を紙に書き、その理由をグループで話して寄付額を合算し、クラス全員で共有しました。寄付額も理由も様々。

  • 子どもたちがかわいそう
  • 日本人だから信用できる
  • $5くらいなら出せる

というような寄付をしたいという意見に対して、

  • 本当に学校のために使われるのか怪しい
  • そういう環境に生まれた運命だから仕方がない

などの寄付するのを躊躇する意見もありました。


生徒たちから沢山の多様な意見が出され、寄付や援助が生み出す現地へのプラス/マイナスの影響や、注意すべき点など、一枚の看板から話はどんどん発展していきます。

彼/彼女たちのうち、これからフィリピンでのスタディーツアーに参加する生徒がいます。教育支援をしているNGOと一緒に、現地の子どもたちへ学習サポートを行う予定だそう。
フィリピンへ赴く前に、自分たちが援助する側としてどんな影響を与える可能性があるのか、どんなことが起こりうるのかを想像してもらうため、私のボランティア体験談を聞いてもらいました。

大学3年生の半年間をブラジル、セアラ州フォルタレーザにある漁村で、仲間と過ごした時のお話です。
ジャンガーダという帆付きいかだを使った伝統的な漁業を継承するため、若者を対象にいかだ造りプログラムを考えました。「繁華街での遊び」に走ってしまいがちな村の青年たちに伝統を伝え、漁に興味を持ってもらうことがねらいでした。
いかだ造りプロジェクトの実施には資金が必要でした。
出発前に私が仲間と行ったのは駅前での募金活動でした。「貧しい環境で暮らす漁村の青年たちのために...」と言って2日間声を枯らすと、なんと12万円も集まったのです!
集まった資金を持って、いざブラジルへ。活動費としていかだの材料費と講師への謝金に充てました。
しかし、現地での活動は上手く運ばず、プログラムに参加する青年はだんだん去り、最後にたった一人の青年がなんとかいかだを完成させたのでした。

果たして、いかだ造りプログラムは誰のためのもので、誰が求めていたものだったのでしょうか?
青年たちの漁業離れの原因、問題点はどこにあったのか。いかだ造りを習えば青年たちは漁業に興味を持ったでしょうか?そもそも、伝統的な漁業を継承したいと村人たちは本当に願っているのでしょうか?

村での生活に慣れた頃、村の中に娯楽が少ないことが若者を繁華街へ向かわしていること、いかだで獲ってきた魚を繁華街のレストランオーナーなどに安く買われてしまっていることなど、日本で募金をしていた時には考えてもいなかったことに気づきました。


さて、高校生に今回のお話をする上で「私が村にもたらした影響」について考えました。
生活を始めて1週間ほど経った頃、泥棒に入られてしまいました。募金で集めた大金を村に安易に持ち込んでしまったことや、持っていたカメラや時計または服装から「お金を持っている」というイメージをもたらしてしまったのかもしれません。

それでも、子どもたちに桃太郎の劇を教えたときの彼らの笑顔、女の子たちとクリスマス会で発表した安室奈美恵のダンス。今でも彼らと話す共通の素敵な思い出です。お金は1円もかかりませんでした。大学生だった自分たちにできた等身大の活動であった、と今ふりかえってみて思います。

「もし、また漁村で活動するとしたら何がしたいですか?」という参加者の生徒からの質問に、ハッとしてすぐに答えられない自分がいました。

何が課題で、何をすべきだったのか?他にどんなことができたのか?まだ、分からないままでいます。分からない、それで良いのだと思います。

これからフィリピンへ行く順天高校の生徒たちにも、私の感じていた何かしてあげたい!という自信や、現地の想像と実際のギャップや、お金がもたらす影響、お金が要らない素敵な思い出など、沢山のことを感じて、体験してきてほしいです。そして、問いを持ち続けてもらいたいです。

授業の最後に、順天高校のニック先生が「Should we only help people who ask for help?」と問いかけました。
ワークショップ終了後、一緒に漁村へ行った仲間とブラジルでの半年間について話しました。
「漁村の人たちに対して同情してもらうような募金活動はもうできないよね、彼らはみんな今は友だちだもんね」と。

私自身にとっても、ブラジルでの半年間をふりかえり、「援助とは?」を考えるたいへん良い機会となりました。

生徒からの感想を紹介します。

  • 自分達で一からしたいことを決めて、全員がSGHとして何かをしたい。
  • 行ってみて気づくことや得ることがたくさんあるから、まずフィリピンがどんな状況なのかを見てきて、それから自分たちに何ができるかを考えたい。
  • 自分たちが現地の人々にどう見られているのかをよく意識する。
  • お金ではなく、異文化交流をして笑顔が増えたり、よい思い出になることをしたいなと思った。
  • 自分が生きている環境の中から“相手の立場に立つ”ということの難しさを感じた。
  • 相手の国の文化などに悪影響を及ぼしてしまうとしたら、ボランティアはしない方がいいんじゃないかと思った。
  • 自分が今までやってきたボランティアは役に立っていなかったのか…?
  • 何かするときに、個人でやるのではなく、人と人がつながり協力してやった方が心に残るし、やりおわった時に達成感があるだろう。

参加した生徒の報告が順天高校のHPより見られます。
http://www.junten.ed.jp/news/?p=6325

(報告:星)