2017年6月27日火曜日

【祝・W受賞!】消費者教育教材資料表彰の受賞式に行ってきました

こんにちは。事務局の八木です。

このたび、教材『写真で学ぼう!地球の食卓 学習プラン10』が、(公財)消費者教育支援センター主催の消費者教育教材資料表彰2017の「内閣府特命担当大臣賞」を、そして、『コーヒーカップの向こう側』が「優秀賞」を受賞しました。

6月26日(月)に開催された「消費者教育シンポジウム」で受賞式が開催されるということで、理事の上條、本山と八木の3名で出席してきました。
「W受賞!うれしい!」左より、上條、本山、八木です。
まずは、表彰式。本山が『コーヒーカップの向こう側』の優秀賞表彰状をいただき、最後に上條が、松本純大臣から『写真で学ぼう!地球の食卓』の大臣賞の表彰状をいただきました。
「先進国の食卓には、みんなコカコーラやファストフードがあるんだな」と大臣。写真をよく見てくださってます。
受賞者のみなさんとご一緒に。後列右から4番目が理事の本山です。
受賞式の後には、大臣と審査委員長の東珠実先生(椙山女学園大学)から講評をいただきました。


大臣からは以下のコメントをいただきました。

「受賞作品となった『写真で学ぼう! 地球の食卓 学習プラン10』は、世界各地の家族が食べる、一週間分の食料の写真を基にした教材です。身近な「食」を手掛かりに、文化や宗教の多様性、エネルギー、ごみなどの様々な問題について学ぶことができる、大変優れた作品であると評価しております」

「食品ロスやごみ問題への対応に代表される持続可能な消費食の安全地産地消など、「食」をめぐる課題や取組は数多く、消費者教育の中でも特に重要な分野の一つであると認識しております。その意味でも、今回の受賞作品は時宜に適った、表彰にふさわしい作品であったと思います」


東先生からは、「何よりも、教員の裁量による自由度が高く、使いやすい。あらゆる教科や場面で、使ってみようかなという気になる教材」そして「アクティブラーニングに適している。考える・話し合う・共感する、そして、自分の行動を変える機会になる教材」とのお話しでした。

会場では、各地の消費者センターの方々にお声かけいただきました。講師派遣や教材の活用方法についてのご相談もたくさん!うれしいことです。


消費者市民教育と開発教育は、目指していることがとても近いのですが、開発教育が長年取り組んできた「参加型学習」、そして、「知り→考え→行動する(学習者が変容する)」というサイクルが、改めて高く評価をされる機会となった思います。

教材作成にあたり、寄付や助成でご支援くださった皆さま、教材作成メンバーの皆さま、そして、教材をご活用くださっている皆さまに、改めて感謝申し上げます。
(報告:八木亜紀子)

2017年6月23日金曜日

フリースペースえん第4回「バリマタ王国にライオンがやってきた!~実は大切な憲法のはなし」

みなさんこんにちは。ボランティアの高階です。

かなり遡った話になってしまいますが、2017年1月20日に川崎市のフリースペースえんで、ワークショップ「バリマタ王国にライオンがやってきた!~実は大切な憲法のはなし」を実施しました。バリマタ王国とは、「たまりば」の文字を逆さにした架空の国。

今回のテーマは「憲法」ですが、幅広い世代の子どもたちがとっつきやすい「檻の中のライオン―憲法がわかる46のおはなし」という本を題材に、大きな力をもつライオンの王様(権力)とどのように関わっていくのか、ライオンの力を縛るロープ(憲法)はどんな役割を持つのかをみんなで考えました。

ライオン役は、たまりば理事長の西野さん。熱演です。
ライオンは、最初は皆の頼りになる存在ですが、その力が徐々に暴走し始めます。

  • ニュースに載るわたしの写真が少ないぞ、ふやせ!不都合なニュースは削除だ!
  • 私の歌が気にくわない?そんな無礼者は逮捕だ!
  • わたしはマヨネーズが大好き!だからマヨネーズが好きな者は税金を安く、嫌いな者は高くする!


こんなライオンの横暴に対して、憲法カード&ロープでストップをかけます。
「みんながもっている権利はなに?それはどんな憲法の条文で守られている?」

選んだカードが正しければ、ライオンはロープでグルグル巻きに。大きな力は制限されていきます。一つの場面で選ばれるカードが一つとは限りません。子どもたちは相談し、ライオンに突き出すカードを選びます。

「このカード(19条:心の中は自由)いけるんじゃない?」
「これ(21条:表現の自由)も一緒に出そうよ!」

次々と憲法カードを突きつけられ、ぐるぐる巻きになったライオン。憲法が権力を制限する役割(法の支配)を持つと同時に、私たちのもつ様々な権利を守っているのだということを再認識しました。


このあと、ゲストの久保井奈美さんからふりかえりを兼ねて、憲法についての紙芝居を披露してもらい、ミニ憲法(名刺サイズ)ももらいました。日常生活で「あれ、この場面おかしいな」と思ったらいつでも出せますね。



ワーク終了後、ある子が「憲法って全部で103条あるんだよねー」と教えてくれました。自分たちで調べて表をつくった子もいるらしく、自分も帰り道の電車で改めてミニ憲法をめくってみました。

私たちの生活を守る憲法について、身近に感じてもらえたと思います。次回も引き続き学びたいと思います。
(高階悠輔)

※この後の第5回目では、身近な対立から、憲法と権利を考えてみました。レポートはこちらからお読みいただけます。

2017年6月5日月曜日

【レポート】レジリエンスを育む小学校~ブラジルのオルタナティブスクールでの学び

5月27日(土)、この日はDEARの会員総会の前に、元DEAR職員であり、1月から4月までブラジルのシュタイナー学校でボランティアをしていた星久美子さんの現地報告&ワークショップがありました。5月とは思えないほど暑い中、30名以上もの方にご参加頂きました。
ヤポ!ヤポ!イェ~イェ~イェ~♪
まずは星さんの自己紹介、そしてアイスブレイクとして、ブラジルの子ども達に人気のゲーム「YAPO!」を体験。歌いながら身体を動かすゲームで、動きを間違えてしまったり、速い動きについていけなくなったりと、アイスブレイクどころかセルフサービスで置いていた麦茶も底をつき、冷房も「強」にするほどアツいゲームでした。

その後はブラジルにまつわる、リオのカーニバルやファヴェーラ(スラム)、日本からの移民についてのクイズ。ブラジル人の陽気さ、貧富の差、他民族さを再確認しました。


そこから「モンチアズール・コミュニティ協会」の話に移ります。この協会は、ブラジルの中流階級の子ども達の通うシュタイナー学校の教師であったドイツ人のウテ・クレーマーさんが、1975年からモンチアズールというファヴェーラの住民達と、診療所や保育所、学童、そして小学校(2010年~)、助産所(2015年~)を作りどんどん活動を大きくしている団体です。御年79歳のウテさんの若々しさと情熱は留まるところを知らず、日々活動は進化しています。


星さんは、そのモンチアズール・コミュニティ協会の建てた、シュタイナー教育の精神に則った私立小学校にボランティアとして入りました。



海外の学校ということだけでも日本とは違う点が多いだろうと思いますが、星さんの話と写真は、日本の“学校”のイメージをことごとく塗り替えていくものでした。

  • 1学年1クラス
  • 各クラス生徒20人ほどで先生が2人
  • 教室は1つずつ離れて建つバンガローのような家で、教室内にキッチンがあり給食は教室で作る。
  • 登校したら朝のフルーツ、授業後の朝ご飯、1時間の休み時間、みんなで作る給食(野菜などは協会が有機栽培で育てたもの)、下校時には帰りのフルーツを食べる。
  • 授業に集中できず、立ち上がって走り回ってしまう子はキッチンで一緒に給食を作り、料理の中に勉強を織り交ぜていく。
  • 授業は一つの科目(単元)を2週間ほど毎日同じ教科をに続けて行なう。等々‥
面白い学校のシステムに、参加者からは「えー!?」など感嘆・驚愕の混ざった声が漏れます。

職員会議の様子。全員輪になってひとりの生徒のことを考える。
更に面白いのは、職員会議の様子。気になる生徒がいると、担任の先生だけでなく、事務担当者、菜園担当者などを含む全職員でその生徒のことだけを考える会議をします。会議の中ではその生徒のことを考えながら絵を描き、その生徒になりきって考え、親も交えて話し、たとえ発達障害があると気づいていてもその名前は出さず、ひたすらその生徒のことを考え、向き合う・・・それがモンチアズール流の職員会議ということで、愛にあふれた学校の話に心があたたかくなりました。

ここで、実際に職員会議で行なったワークショップを体験してみることに。一人一枚、「自分の子ども時代」をお題に紙に絵を描きます


参加者は久しぶり(何十年ぶり?)に触るクレヨンにちょっと興奮している様子。大人になるとクレヨンを使うことはおろか、絵を描くことも少なくなりますよね。絵を描き始めるとつられて色々な懐かしい記憶が蘇ってくるようで、風景画、自分の姿、物(太陽、蝶々、ネギボウズなど)など様々な絵が描き上がりました。


他の人と共有すると、習い事や外遊びなど色々なエピソードが飛び出し、人それぞれの子ども時代に場が盛り上がります。そんな中、星さんが一つ質問を投げかけます。「なぜ、これを職員会議でするのでしょうか?」それに対する参加者の一人の答えが印象的でした。

「先生は普段生徒や他の先生の前で自分のことをオープンにすることがない。逆に自分のことを隠してしまう。自分のことをオープンにすることは自分を見つめ直すきっかけになる。そして、自分の子ども時代のことを考えることで、より生徒の言動や状況を理解できるようになる」

これは、日本でもとても有効なワークショップだと深く実感しました。また、星さんによると、モンチアズールの職員会議は全員が輪になって行なうそうで、それにより雰囲気も良くなるとのこと。日本でもそんな職員会議が出来たら面白そうです。

星さん、ありがとう!
来年3月にはウテ・クレーマーさんが来日し、講演会も行なうようです。ウテさんの情熱や手法に興味のある方は、ぜひご参加ください!
(報告:木村明日美)