2017年8月24日木曜日

区立中学校1年生の3クラスで「世界がもし100人の村だったら」

こんにちは!ボランティアの岩岡です。

7月8日(土)、杉並区立荻窪中学校の1年生を対象に、ワークショップ「世界がもし100人の村だったら」を行いました。これは、東京都教育委員会主催の「オリンピック・パラリンピック教育推進のための『教育支援プログラム』」の講師派遣の一環です。3クラスで同時進行ということで、DEAR事務局の伊藤、中村、八木、DEARボランティア・インターンの岩岡、関原、山本、の6名で実施しました。

利用した教材はコレ!
荻窪中学校は、JR西荻窪駅から徒歩15分のところにあり、周りは閑静な住宅街や自然豊かな公園に囲まれています。隣接した井萩小学校では、水鉄砲を楽しむ子どもたちがたくさんいて、とても賑やかな雰囲気でした。

今回ワークショップを行うのは、1年生の3クラスで、1クラスにつき約30名が在籍し、女の子の方が男の子よりも少し人数が多めとのこと。実際にクラスに入ってみると、とにかく明るく元気な生徒が多く、積極的にワークショップに参加してくれました。

▼アイスブレイク

まず最初にアイスブレイクで世界の人口に関するクイズを行いました。「世界の人口はどのくらい?」という問いかけに対し、ぱっと「72億!」と答えられる生徒がいて、スタッフもびっくり。また、世界の人々が暮らす風景の写真を1人1枚ずつ配り、日本と似ているところや違うところを見つけて、発表してもらいました。

写真を見比べて、感想を共有しています。
ここから、100人村のワークショップが始まります。配布した写真の裏に、役割カードが入っており、1人1人がその役割になりきって参加します。

▼世界の言葉で「こんにちは」

まずは、役割カードに書かれている挨拶を声に出しながら、同じ挨拶の言葉を話す人とグループになります。事前の予想で、一番多く話されている言語は、英語や中国語、アラビア語などが挙げられていましたが、実際にグループになってみると、1番多い中国語に続き、2番目に多いのがスペイン語だったのが意外だった様子。スペイン語を話している人はヨーロッパ大陸の人かと思いきや、実際には南アメリカ大陸(中南米)の人が圧倒的に多く、ここで植民地主義の歴史や影響について少し説明をしました。

▼大陸ごとに分かれてみよう!

次に、円になったロープを床に置いて、5つの大陸(ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカ、南アメリカ、アジア)に分かれてもらいました。他の大陸と比べて、アジアがロープに入りきらないくらい人が集まっており、この人口の差についてみんなで考えました。特に人口が多いアジアのメリットとしては、「人が多くて楽しい」「街が栄える」と言った意見が出た一方、デメリットとしては「仕事がなくなってしまう」「食糧不足になる」「環境汚染が進む」といった意見が挙げられました。

アジアの人たち(写真左側)が多すぎて、ロープから溢れています!
▼文字が読めないということ

そして、スタッフがそっとある紙をみんなに見せます。役割カードを見て気付いた生徒が「分かった!」と言って座り始め、他の生徒は全く理解できず立ち尽くしてしまいます。実は、紙にはネパール語で「座ってください」と書かれており、この文字を読めなかった人たちは字が読めない人なのです。それを知った生徒からは、「なんだか寂しい」「学校に行きたい」といった声が出てきました。

▼所得が多いのは誰?

その後、役割カードに書かれた記号ごとに5つのグループに分かれてもらい、どういったグループで分かれたのかみんなで推測しました。スタッフが、富の量(お金持ちかどうか)で分かれたことを説明し、今回はお金の代わりにクラス人数分のクッキーをグループごとに配布することを説明すると、みんな目の色が変わります。27人のクラスには27枚のクッキーを配るわけですが、自分のグループに何枚配られるか予想してみると、最も裕福なグループから順に、15枚、10枚、4枚、3枚、1枚と推測し、合計すると27枚を6枚も上回る33枚という結果に。

実際にクッキーが各グループに配布されて枚数を確認してみると、最も裕福なグループから順に、20枚、4枚、1.5枚、1枚、0.5枚となりました。最も裕福なグループ以外は予想よりもだいぶ少ない枚数が配られたことに、貧しいグループからは「ずるーい」「少しちょうだい」といった声が出てきました。

裕福なグループにクッキーを分けてもらえないか交渉中
どうやって食べるかは、みんなで決めてね」とスタッフが伝えると、少ないクッキーを割って分け合うグループや、クッキーが少なすぎて分け合えず途方に暮れるグループ、一方で「こんなにたくさん食べられないよ」と言いながらたくさんのクッキーを分け合うグループが出て、教室は混乱状態に。

しばらくすると、裕福なグループのもとに貧しいグループの人たちが集まって、クッキーを分けてもらえるよう交渉し始める姿がありました。裕福なグループの人の中には、クッキーを渡すのを躊躇して抱え込んでいる人もいれば、積極的に貧しいグループへ分け合う人もいました。

少し落ち着いたところで「何が起こった?」とみんなに聞いてみると、「戦争だ!」「奪い合い!」「交渉した!」「寄付!」といった声が次々上がり、では、どうしたら暴力なしで解決できたかをみんなで考えました。「クッキーだけではなく、別のものを物々交換する」「不公平が無いようにみんなで話し合う」などといったアイディアが出てきました。また、クッキーを食べ終えた後の裕福なグループからクッキーの袋と箱のゴミが出てきたことを指摘し、富がたくさんあるところでは、環境汚染やフードロスといった問題があることも説明しました。

後で聞いた話ですが、他のクラスでは、クッキーをたくさん持っているグループに対して「税金を払って!」「脱税しないで!」と要求があったそうです。富裕層がタックス・ヘイブンなどを利用して税金逃れをしていることを知っている生徒もいるようでした。

▼ふりかえり

最後に、「世界がもし100人の村だったら」のメッセージを読み聴かせました。それを聴いた後に、生徒たちには今日のワークショップを体験して感じたことを「わたしの気持ち」シートに記入してもらい、周りの人と共有しました。

ワークショップ終了後の生徒の気持ちとしては、「なんとかしたい」「もっと知りたい」
「複雑」「かわいそう」といった気持ちが数多く上がっていました。また、以下のような感想もありました。

  • きれいな水を飲めたり住める家があるのは、当たり前だと思っていたが、世界にはそれが当たり前ではない人もいると知って驚いた。
  • 貧しいグループにいてクッキーが0.5枚しかもらえず他のグループが羨ましかったけれど、これが世界で起きていることだから、私たちができることを見つけていきたい。
  • 27人の村にしたら、言葉が話せるか、富の格差など、いろんな問題があることがよく分かり、何とかしたいという気持ちになった。
  • 今後もっとひどいことになってしまわないか心配に感じた。世の中でどんなことが起きているのか、もっと知りたいと思った。

100人村のワークショップは、参加者が必ず一人一役を与えられて参加するので、それぞれの役の立場から世界を見て、真剣に考えたり意見を言ったりする姿がとても印象的でした。生徒たちが今回のワークショップで得た体験や気づきが、どこかで役に立つことを願っています。
(報告:岩岡)

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