視覚特別支援学校の高校生とチョコレートづくり!

こんにちは、DEARスタッフの伊藤&小口(おぐち)です。
去る1月17日(水)に、筑波大学附属視覚特別支援学校の高等部3年生向けにNGO APLA(あぷら)が主催するチョコレート作りのワークショップが行われ、スタッフの伊藤・小口でお手伝いに行きました。
※2016年にも同じ学校で政治・経済の時間に「ケータイの一生」ワークショップをやりました。

実は去年、APLAと共催のチョコレート作りワークショップに参加したことのある私たち。カカオから作るチョコレート作りがとても楽しくて&手作りチョコレートがとても美味しくて、私たちはこの日をとっても楽しみにしていました。

東京都文京区にある筑波大学附属視覚特別支援学校は、視覚に障害のある生徒が通っている、2007年までの区分で言う「盲学校」です。私たちは、弱視や全盲の方々と調理をするのは初めてでした。包丁や火を使って調理するということで怪我等無いようにしなくては、と最初は少し心配していたのですが、そんな心配は一切要らないことに改めて気づいたワークショップでした。

まずは、講師であるAPLAの野川未央さんからカカオについて説明を受けました。カカオの苗や乾燥したカカオポッド、カカオポッド模型、カカオの種を興味深そうに触る生徒たち。手で触りながらたくさんのことをイメージします。

乾燥したカカオの種からチョコレートの原料に加工されるまでに出てくるカカオニブを食べると、「意外に美味しい!」「苦さがちょうど良い!」というような声も多くあがってきました。

その後、早速ビターチョコレートとミルクチョコレート班に分かれて調理開始です!1班2,3名に分かれてチョコレート作りを進めます。

まずは細かくカカオマスとココアバターを刻みます。包丁使いは男女問わずお手の物。家庭で料理を良くすると答えていた生徒もいたり、普段はあまり料理をしない生徒も調理実習で習ったことがあるとのことで、危なげなく細かくチョコレートを刻んでいきます。
(調理実習ではシュークリームも作ったことがあるそうです。本格的!)

カカオマスは結構硬いので切るのが大変なのですが、皆上手に刻んでいきます。

カカオマスとココアバターを刻んだら、湯せんにかけて溶かしていきます。
先生が「コンロの真ん中にフライパンを置いたので、真ん中に火をつけてください」と言うと、手で触りながら真ん中のコンロに火をつけ、良い感じに火加減を調節する生徒たち。

手前にある温度計は、音声ボタンがあり音声ボタンを押すと何度かを読み上げてくれます。

その後砂糖や粉乳を加えて、だまがなくなるまで湯せんで溶かしていきます。
「もう少しだまがありそう・・・」と感触で確かめながら、丁寧に混ぜていきます。
そして材料が溶けたら、美味しいチョコレート作りのポイント、テンパリング!

温度読み上げ機能付の温度計で確認しながら、湯せんで溶かしたチョコレートの生地を28度まで一気に冷やした後、再び湯せんにかけて30度まで温めます。私が担当していた班は男女が1人ずつだったのですが、交代しつつ協力しながら進めているのが印象的でした。

2人で協力しながら進めます

30度まであがったら、できあがったチョコレート生地をバットに流し込みます。

バットからこぼれないようにきれいに流し込みます

バットに入れたチョコレートを冷やしている間、野川さんからチョコレートにまつわるクイズとお話を聞きました。

日本での一人あたりのチョコレート消費量が約2キロもあること、世界で一人あたりのチョコレート消費量が一番多いドイツは日本の約10倍の約11キロもあることを聞くと、たくさんの生徒たちが「エー!そんなに食べているのー!」と驚いていました。

そして野川さんからは、今日使ったカカオの産地、パプアにまつわるお話がありました。APLAでは、コーヒー農家の方々の安定した生計を確立するために、チョコレートをフェアな値段で購入するだけでなく、自活のための地域づくりのお手伝いもしていることを聞きました。

カカオの生産過程では、児童労働が起こっているケースがあり、その数は一人や二人ではなく、何10万人とも言われており、労働力として売り払われているそうです。はたして、今、売られているチョコレートはどうなのでしょうか。フェアトレードのチョコは「高い」と言う人もいますが、なんで他のものが安いのか考えてみよう、という投げかけが野川さんからありました。

生徒たちも野川さんのお話を真剣に聞きます

そんなお話を20分ほど聞いているうちに、チョコレートが固まりました!
待ちに待った試食タイムです!

カカオニブ入りミルクチョコレート(左)とダークチョコレート(右)

いつも食べているのと触感が違う!」「濃厚で美味しい!」と口々に言う生徒たち。やはり、自分たちでゼロからつくったチョコレートは美味しさが違いますよね。

最後にチョコレート作りと野川さんのお話を踏まえた感想を聞くと、
  • 自分たちが気軽に食べているチョコレートも、このようにいろいろな時間と手間がかかって作られているということを実感した。
  • フェアトレードのものを選んでいきたい。
  • 4月から一人暮らしをするので自分が消費者としていろいろなものを選んでいくことになるが、身近なものこそどのような経緯で自分の手元に届いているかを考えて選びたい
というように、自分の生活と紐付けながら感想を言っている生徒が多かったです。

実は二週間くらい寝かせたほうが美味しくなるチョコレート。この日は少しだけ試食をして、残りは冷蔵庫に保管しました。二週間後が楽しみですね!

個人的には、生徒は協力し合いながら物事を進めており、色々なことが自分たちでできることがとても印象的でした。どこかに移動するときは弱視の子が全盲の子にさっと手を出したり、一緒に調理を進めるときは自分が分かっている情報を声に出して伝え合ったり。

3月に高校を卒業し、4月からは新生活が始まる生徒たち。一人暮らしを始める生徒や大学に進学する生徒もいます。自分たちの身の回りにあるものと世界で起きている問題とのつながりを考える視点を持ったかれらが、今後どのような活躍をしていくのか、とても楽しみです。
(報告:伊藤、小口)

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