平和ワークショップ 報告

10月30日(土)に、「平和ワークショップ~核兵器のない世界に向けて」を開催しました。台風直撃の中、12人の参加者が全国から集まりました。

講師のキャサリン・サリバンさんは、ニューヨーク在住の軍縮教育家で、活動家。2006年に私がニューヨークで出会い、今は公私共に仲良くしていただいています。

通訳の安原はづきさんとキャサリン・サリバンさん

平和ワークショップは以前もDEARでは2回おこなっていますが、毎回参加者の構成や社会の状況ですすめ方や雰囲気が異なります。

今回は、人数も少ないため、一人一人が発言しやすく、リラックスして進められるよう工夫がなされていました。

流れは以下のようなものです。

午前中に、まず、2人組みで順番に話します。
  1. 子どもの頃に好きだった場所
  2. 自分の人生に影響を与えた人
  3. 人生で好きなもの
3つの質問について、一人がそれぞれ2分ずつ話し、相手は積極的に聞きます。思い出して話してみると、たくさんの人から影響を受けていて、そして人生で好きなものがたくさんあることに気づきます。

キャサリンは、核問題のようなことを学ぶ際には、まずは、さまざまなものに感謝する、ところから入っていくことが重要だと説明しました。

その後、現在の核問題の事実、そして最近の動向、メディアには出てこない問題などについても共有がありました。そして、現在の核兵器がどのくらいあるのか、をパチンコ玉で表す、BBデモンストレーション。

目を閉じながら、缶の中に落とされる鈍い音が永遠に続くのでは、と思えます。参加者からは恐怖と怒りと悲しみを強く感じたという声が多かったです。

さらに、参加者に被爆者の方がいらしたことから、許可を得て、15分くらい被爆体験のお話をしていただきました。ご本人から直接話を聞くというのはなかなかない経験です。

5歳の誕生日の直前に牛乳を取りに行くときに被爆にあったこと、お母様が80歳になったときに12枚の手記を書かれて、その後うつ病になられたことなど、辛い思いでもお話ししてくださいました。大変な苦労をされてきたことをお話しいただき感謝の気持ちで一杯になりました。

その後、自分が最初に核兵器について学んだ時のことを共有しました。

お昼の後、今度は、未来について考えました。
「みなさんの多大な努力の結果、世界から核兵器がなくなりました。これから100年後の世界に行って、その様子を観てきましょう」という説明の後、宇宙船?に乗り、タイムトリップ!2110年の世界で、核兵器廃絶が決まった記念の新聞の一面をみんなで書くという作業をします。

その際も、どのようにその偉業を成し遂げたのかを含めて考えます。各グループ、最初は悩んでいましたが、だんだん盛り上がり、2つの新聞ができました。

市民が立ち上がり、世界中で核廃絶のデモが起こる、企業の平和意識が高まる、軍事資金が福祉や環境、人権に回される、核兵器のおろかさをオルタナティブなメディアが大々的に取上げる、など、具体的な年表もでき、最後には本当に達成したような気持ちになっていました。

完成した未来の新聞

最後に、金魚蜂のワークで、対話式でみんなで感想の共有をしました。
参加者からは、実際に核廃絶は夢ではないかもしれない、想像力を用いたワークを実際にやってみたい、心がすごく解放された感じがしたという感想が聞かれました。

最初の硬い表情から最後はみんなが笑顔で、それぞれ楽しそうに話している姿が印象的でした。私も今回は完全に参加者でしたが、エンパワーされて元気になりました。

もっと平和や核兵器について議論を広めて行きたいと改めて思いました。参加してくださった皆様、キャサリン、そして通訳のはづきさん、ありがとうございました。
(中村)

コメント

  1. ワークショップではお世話になりました。
    私の学ばせていただいた事3点です。

    1.核兵器は所有する大国指導者まかせにしていると永遠に解決しない。そのわずか1%が使用されただけで絶滅する(核の冬)といわれるとき人類全員が被害者になる可能性があり、人類全員が声を上げる権利がある。

    2.従来の日本国内の核兵器についての教育や、極端なもの(楽観的/悲観的、理想的/妥協的、技術的/非技術的)が多いように思われる。それらの間に、誰もが関心を持てて、具体的にどのような行動を取ればよいのかというヒントの得られるカリキュラムが必要である。

    3.その際、ヒロシマ・ナガサキの粘り強いとりくみの他にも、「世界法廷プロジェクト(民間→中小国首脳→国連総会決議→国際司法裁判所の勧告的意見を引き出すというプロセスを見出した)」「新アジェンダ連合(NPT延長検討会議の際に、核保有国に対して核軍縮への努力を交渉で約束させた中小国の連帯)」などを取り上げていくべきと思われる。

    第2弾を期待しています。

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