リアル「国の中の多様性」in沖縄

前回に引き続き「地球の食卓」in沖縄レポートです。
4日(土)に日米の高校生対象に実施したワークショップ。
軽いアイスブレーキングのつもりでやった「食べものビンゴ」は、意外にも発見がいっぱいありました。

教材「地球の食卓・学習プラン10」のひとつに「国の中の多様性」というアクティビティがあるのですが、これを地で行く展開に。2つのエピソードをご紹介します。

今回のプログラム用に沖縄/米国バージョンでつくったビンゴシート。朝ご飯は「カレー」?好きなアメリカ料理は「マクドナルド」!嫌いな食べ物は「玉ねぎ」‥。
その1:「好きなおにぎりの具は?」

ビンゴの中のひとつのセルに「好きなおにぎりの具は?」というのを入れました。セルを全部埋めたアメリカの子に答えを言ってもらったところ、なんとその答えは「miso」。ミソ…?味噌か!?
このとき、「味噌おにぎり」を理解していなかったのは、その場にいた120人の「島人(しまんちゅ)」の中で、いわゆる「ないちゃ~(内地人)」のわたし一人だったようです。恥ずかしげもなく、「味噌のおにぎりって、なんですかー?」と聞いてしまい、会場は一瞬の静寂。

その後、「ああ。この人は“ないちゃ~”で、“肉味噌”を知らんのねー」と気がついた皆さんが、「沖縄では、肉味噌をおにぎりにするんですよ、これが、おいしいのよ」と教えてくれたのです。
沖縄において、わたしは完全にマイノリティでございました。失礼しました。
豚肉以外にも、カツオと味噌のもおいしいそうです。

基地のハイスクールの子も大好きな、味噌おにぎり…。
確かに、コンビニやお惣菜屋さんには、ポーク卵にぎりと共に、味噌にぎりは主役でした。ひとりで、ひそかに実食しました。

その2:「好きなアメリカ料理は?」

ある沖縄の高校生が、この質問に「タコライス」と答えました。
タ・コ・ラ・イ・ス!
「これってアメリカ料理だっけ?」と聞くと、「沖縄だよね」「うーん、アメリカ料理じゃないかも」「メキシコじゃない?」などなど。

これはタコス
タコスはもともとはメキシコの食べ物。
それが、移民や南部アメリカ経由でアメリカに普及してアメリカのタコスになった。そして、米軍基地のある沖縄の基地近くのお店でごはん(お米)とドッキング。で、沖縄タコライスの出来上がり。

こんな文化・民族チャンプルーな歴史は、わたし世代以上は知っているけど、高校生には「アメリカ料理」なんだなー、と引率の先生たちと終了後に話し合いました。「タコライス」も、歴史や沖縄、文化の多様性を学ぶための、いい教材になりそうです。
(八木)

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