欧州グローバル教育会議報告2

会議2日目。今日は、グローバル教育の政策提言書について話し合った。
事前に、作成委員会で出された案については、表面的で、今の社会状況を反映されていないと、かなり、不評。そこで、当初の予定を変更して、その提言書についても具体的なコメントや訂正案を話すことになった。
政府や市民団体、研究者などグループにわかれ、話し合った。
市民団体が一番多いので、そのなかでも7グループにわかれ、興味のあるテーマで集まった。
私は、「経済危機の中のグローバル教育」のグループに入った。やはり、そのことをみんな話したかったみたいで、10人を越えるグループになった。
午前中話して、最終的に全体会で提案することになったのは、下記の点。

1.現在の経済危機の中のグローバル教育は変革をめざすものであることを明らかにする。、
2.地域の課題を取り上げ、地域の小さな組織や人材を育てる。地域から世界の視点を重視すること
3.声の聞こえない人、社会的、政治的に排除される人たちの声を聞き、変革の担い手にすること


ギリシアのNGOのマリアからは、グローバル教育/開発教育を担う私たちは、本気で今の生活を変える覚悟があるのか、という問いがあった。
ポルトガルの元教員からは、ポルトガルの独裁政権を経験しているから、大体想像できる。一時的にはそういうことも起こる覚悟する必要があるかもしれない、という話があり、一瞬しんとした。

本気で取り組まないと、大きな変化を起こすことはできない、と強い危機感を持っている人も多かったが、一方で、資金豊富に進めてきた団体が多いので、国際的なことをしてきた団体が地域のことを扱うと、資金がもらえない、あまりに政治的だと、政府からは支援していもらえない、という声もある。かなり、深刻な事態だけれど、どこか、のんびりしている気もする。それは欧州委員会や議会の中でグローバル教育が重要な価値の一つになっているからかもしれないが。

参加者からは、日本のことも聞かれた。領土問題や、原発のこと、国内の格差、ポピュリズムなど。そう、日本も、今、変化を起こすチャンスなんだよな、と思う。この経済危機をチャンスに変革を目指そうというヨーロッパの仲間の声は励みになった。ギリシアのマリアから、現在の経済危機のなかのグローバル教育/開発教育ということで、何か一緒にやってもよいね、と提案があった。

最終的にはそれぞれのグループが提言書について様々な指摘をし、作成委員は、もう一度練りなおしてウェブ上にアップすることを約束して、リスボン提言書は、この場では完成しなかった。

約200人の参加者の意見をこういう会議でどのようにまとめるのかは、難しいと思うけど、とにかく様々なレベルで話し合いや対話を積み重ねて、時間はかかるけどそれぞれの声を聞き、民主的に合意をつくっていく、それを支える環境と、この過程が重要であるという人々の意識を強く感じた。
それに参加できたことはとてもよい経験でした。


6時に会議が終わり、リスボンの旧市街を歩き、進められたカタプラーナ(ポルトガル風シチュー?)をいただきました!エビや豚肉をトマトと玉ねぎでじっくり煮込んであり、コリアンダーなども入っていてさっぱりしていて、とてもおいしかったです!
明日、午前中リスボン観光をして、ロンドンに向かいます!



(中村)

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