モンゴル・ウランバートルより(その3) モンゴル教育同盟のご紹介

モンゴル・ウランバートルより(その1)
モンゴル・ウランバートルより(その2)

MEA(Mongolian Education Alliance:MEA/モンゴル教育同盟)は2004年に設立された教育NGOです。前身は、オープン・ソサエティ財団(ソロス財団)の教育プログラムです。以前にDEARを訪問してくださった団体で、モンゴルでの研修参加者の中にも、DEARに行ったことがあるという方がいらして感激しました。

事務所には、理事長室、3つの事業ごとの部屋、研修室、そしてキッチンがついていて、木造の温かい感じのする空間に11名のスタッフが働いていました。
研修に参加してくれた教員やスタッフの方々
MEAが目指すものは、「民主主義的価値を推進している教育者や学校を支援すること」です。開かれた社会におけるさまざまな価値、すなわち透明性、アカウンタビリティ、参加、平等なアクセスなどを実現するためのネットワークづくり、また、教育改革の十分なサービスを受けていない地域への重点的なサポートを行っています。

事業の3本柱は
  • 学校・教員養成
  • ユース・ディベロップメント
  • 幼児期の発達支援、です。
「学校・教員養成」では、学校を基盤とした教育改革の実施において、校長(モンゴルではマネジメントと教育運営が分かれており、校長は学校経営に特化し、教員のトップがカリキュラムなどの教育内容を担当している)への研修、教員の専門性開発、新しい教育方法論の研修などを行っています。MEAの研修を受けた30名の教員が文部科学省の資格として「ナショナルトレーナー」となり、各地で研修を実施しています。

「ユースディベロップメント」では、「Carl Popper’s Debate」(カール・ポパーはイギリスの哲学者)というディベート・プログラムを通じて学習する力を養っています。

「幼児期の発達支援」では、「Step by Step」プログラムといって0歳児~10歳児およびその家族を対象とし、「子ども中心の教育方法」「子ども期の発達における人格形成」「子どもの自分自身による選択」「子どもの学習環境」「家族と地域の役割」などについて学習する機会を作っています。全国で13,560名の子どもと家族が登録しています。

他にもさまざまなプロジェクトが行われており、モンゴルの民主化後の社会の教育分野において重要な役割を担っていることがよくわかりました。
(報告:上條)

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