環境学習リーダー養成講座「ワークショップの手法」 

こんにちは。スタッフの伊藤です。
神奈川県の環境科学センターが主催する、環境学習リーダー養成講座にDEARの中村と伊藤がお招きいただき、ワークショップを実施してきました。

このリーダー養成講座では、全7回の講座が実施され、その内容は講義から施設見学、そして現地実習など多岐にわたります。今回は一連の講座の最後の締めくくりということで、ワークショップの手法を体験的に学びながら、これまでの講座をふりかえってもらうワークショップを実施してきました。

まずはアイスブレーク

グループとして改めて自己紹介や近況報告などをしてもらいました。和気あいあいとした雰囲気の中で、お互いの報告が盛り上がり、いつまでも話し終わらないグループもありました。

その次は、部屋の四隅

参加者は皆、環境学習に関わる方々ということもあり、環境やその保護に対する、様々な意見や、前向きな姿勢や伺えました。「部屋の四隅」のすすめ方はこちらをお読みください。

例えば、「自分は環境にやさしい生活をしているか」という質問。近所の川の保全活動をされている方は「どちらかといえばYES」に立っていらっしゃいました。理由を聞いたところ、大きなアクションではないから、「どちらかというとYES」だが、今後も地道に続けていきたいとのことでした。

また、「経済発展と環境保護は両立できるか」という質問に関しては、企業は環境に配慮した取り組みを今後さらに強化していく必要があるという希望的観測も含めた「YES」という意見も出されました。

続いてはフォトランゲージ

フォトランゲージ」は、写真から様々なことがらを読み解くアクティビティ。神奈川県の環境問題にまつわる写真3点をもとに、各グループでお話しいただきました。

初めは外観のことなど、表面的なことに触れることが多かったのですが、コンパス分析のNWES(Natural=自然・環境、Who decides=意思決定、Economic=経済、Social=社会)の視点を改めて提示すると、写真の背景に実は関わっている人々のことや、政治的背景などの分析がなされていました。
川崎の工場地帯の夜景の写真を元に読み解いている様子
例えば、工場夜景の写真。最初は「夜景がきれい、若者に人気のスポット」といった意見が挙げられていました。さらに進めていくと、「なぜライトアップをしているのか」「いつ頃からそれが始まったのか」「企業のイメージアップではないか」といった、ご本人たち曰く「妄想」がどんどん膨らんでいきました

厚木基地周辺の写真を元に読み解いている様子
また、厚木基地の騒音の問題では、「騒音の原因、危険、落ちないか」といった発見から、「反対だが、そこで働いている人の職を奪うことにならないか」といった分析がなされていました。

リサイクルプラザ藤沢の写真を元に読み解いている様子
リサイクルプラザ藤沢の写真については、最初は何の変哲もない建物の写真として捉えられていました。そして、印象的だったのが、「シンプル。ぱっと見た時に何の建物か分からない」という意見でした。

その後にそれが、全体共有で「それがなぜなのか」、実際に見学に行った時の気づき、例えば「稼働時は匂いがすごいこと、周囲からゴミの存在は見えないようになっている」等の意見が他のグループから共有されたことで、議論が深まりました。

学んだことのふりかえり

最後に、ブレーンストーミングをしながら、学んだことのふりかえりを実施しました。リサイクルに関しては、国民一人ひとりの意識改善でコストが激減する可能性があるのではないか、全体的には、講座で取り上げた内容についてもっと知りたかったなどの意見も挙げられていました。




今回のワークショップを通じて、グループで意見を出し合うことで、多くの気づきが生まれ、またその気づきから議論が深まる様子を目にすることができました。

その過程では、参加者それぞれが生き生きとしていて、「やっぱり参加型っていいな~」と改めて思いました。参加することの楽しさをできるだけ多くの皆さんに実感もらうべく、講師としてまた新たなる地へ向かいたいと思います!
(報告:伊藤)

コメント