「世界一大きな授業のすすめ方」実践者のためのワークショップをやりました

今年も4月15日(土)~5月31日(水)に実施する「世界一大きな授業」。キャンペーンの開催に先駆けて、4月8日(土)に横浜YMCAの協力で「世界一大きな授業のすすめ方」実践者のためのワークショップ@横浜を開催しました。ファシリテーターは、DEAR事務局長の中村と職員の小口で実施しました。


当日は、なんと超満員の40名が参加!参加者も高校生、大学生、先生、企業の方、などとっても多様。「今大学で教職課程を取っているんですが、今日、私の高校の時の恩師も来てて、とってもびっくりしました!数年ぶりに再会したんです!」という奇跡の再会(?)を果たす参加者も。大盛り上がり、あっという間の2時間半でした。

「世界一大きな授業2017」の公式教材には、7つのアクティビティが収められていますが、その中から以下の5つのアクティビティを実施。その後、今後自分が実施するにあたっての意見交換をしました。

1.クイズ
2.識字(コップの水を選んで飲むシミュレーション)
3.教育と資金(リボンをつかったシミュレーション)
4.ちがいのちがい SDGs4バージョン(カード)
5.首相・外務大臣に手紙を書こう(意見交換+文章表現)

「文字が読めないってどういうこと?」を疑似体験。みんなが飲んだものは果たして・・・?
教育援助額とゲーム費・軍事費をリボンを使って比べます。軍事費は、発展途上国のすべての子どもが高校まで行くのに必要な年間援助額の何倍?
今年の新アクティビティである「ちがいのちがい SDGs4バージョン」は、カードに書かれている事柄について「あってもいいと思う違い」だと思うか、「あってはいけないと思う違い」だと思うか、理由も出しあいながら分類するアクティビティです。
今年の新アクティビティ「ちがいのちがい SDGs4バージョン」。一つ一つのカードについてじっくり考えます。
一つのカードをとっても、想像する背景やその事象に至った理由は様々。例えば「タカフミさんは地元の中学校に通っているが、同い年のトオルさんは隣町のフリースクールに通っている」というカードがあります。「学校=教育ではない。本人がフリースクールに通いたくて通っているのであればあっていい違いなんじゃない?」という意見もあれば、「本人は学校に行きたかったけれど何かの理由で拒否されたり行けなくなってしまったのであれば、あってはいけないと思う」という意見も出ました。

もちろん、正解はありません。ですが、参加者は、一つ一つのカードについて話し合いながら考えを深めながら、話し合いのプロセスの中で、お互いの視点の違いを楽しんでいたようでした。具体的な事柄を話すことで、そして「もし自分だったら…」と考えることで、今現在の教育の課題や、より良い教育の在り方について、それぞれの考えを深める時間となりました。

最後に、グループごとに書いた「首相・外務大臣に向けた手紙」を持ってフォト・アクションをしました。
Raise your voice!!良い写真ですね^^
この写真とともに、皆さんに書いていただいた「首相・外務大臣への手紙」は責任を持ってキャンペーン事務局が政府に届けます!

最後に、参加者の方から出た感想の一部を紹介します。
  • 新しい発見をグループの中ですることができ、色々な人たちと色々な考え方を知りあうことができる大切さを改めて感じた
  • どんな状況でも、背景がどうなっているかを知る必要があると感じた。
  • 自分の価値観で物事を判断しがちになっていることに気付かされた。
  • ワークショップで理不尽な環境に置かれている人達が沢山いることを学び、「私たちはいけないのか」という極端な発想になりそうでだったが、そうではなくて出来ることから始めるのが大切、例えばフェアトレードの商品から買う、状況を友人に伝える、国の方針を決める政府に声を届ける等、グループの方の意見から気付きを得た。
  • 日本だけが良い、ではなく、世界が良くなるために日本に、自分に何ができるか、考える事が出来た。
今年のキャンペーン期間は5月31日(水)まで。
今年からの新アクティビティ「ちがいのちがい」はもちろん、各アクティビティで注意すべきことなど、今年の教材は非常に分かりやすくバージョンアップしています!昨年までの教材がお手元にある方も、絶対にこちらから今年の教材をダウンロードしてください
世界の子どもたちの教育のために、より大きな声を日本政府に届けましょう!
皆様のご参加をお待ちしております。
(報告:小口)

●「世界一大きな授業」とは…
現在、世界で小学校に通えない子どもは6,100万人、読み書きができない大人は7億5,800万人も存在します。こうした事実の背景には、戦争や貧困などはもちろん、教育の機会が与えられなかった人々が直面する厳しい現実など、さまざまな問題が隠れています。2015年9月に国連総会は「持続可能な開発目標」(SDGs=Sustainable Development Goals/通称:エス・ディ・ジーズ)を採択し、2030年までにすべての子どもが質の高い就学前教育、初等教育、中等教育を受け、大人の識字率も大幅に改善することを新たな目標として掲げました。

「世界一大きな授業」とは、そんな世界の現状に目を向け、教育の大切さを、同じ時期に考えようという地球規模のイベントです。「世界中の子どもに教育を」を合言葉に、2003年にスタートし、2008年には、885万人が参加し、ギネスブックにも登録されました。日本でも2016年には、764校・グループの56,234人が参加しました。

2017年も、世界中のNGOや教職員たちのネットワークを通じて、世界100カ国の小・中・高等学校や、大学、専門学校、各種団体などで、一斉に開催されます。また、今年からは新たに、授業を受けた「生徒」たちが提言を発表するフォト・アクション「Raise Your Voice!(レイズ・ユア・ボイス!=声をあげよう)」という活動への参加を呼びかけます。

【主催】教育協力NGOネットワーク(JNNE)
【「世界一大きな授業」はJNNE に参加する次の団体が実施しています】オックスファム・ジャパン、開発教育協会、シャンティ国際ボランティア会、日本YMCA同盟、プラン・インターナショナル・ジャパン、フリー・ザ・チルドレン・ジャパン、ラオスのこども、ワールド・ビジョン・ジャパン
【公式サイト】http://www.jnne.org/gce/
※授業を実施される方は、必ず事前に申込みをして今年の公式教材をご利用ください。

コメント